ホワイトニングをするか迷われている方へ
最近ではCMでも「受けてみたい美容医療」として紹介されるようになった歯のホワイトニング。
歯が白いと、「清潔」「清楚」「笑顔の印象が良くなる」など、様々なメリットがあります。ところが、中には「ホワイトニングをしない方がいい」という意見もあるようです。これはある意味事実で、確かにホワイトニングをしない方がいい人もいます。
しかしそれはでごく一部の人で、ほとんどの人にとってホワイトニングは低いリスクで高い効果を得られる歯科の施術です。
ここでは、実際に医療ホワイトニングをしない方がいい人と、気をつける必要がある人をご説明していきます。
ホワイトニングと一口に言っても、様々な種類があります。
インターネットや薬局で売っている「ホワイトニング成分入りのケアグッズ」やエステサロン・ホワイトニングサロン・最近ではスポーツジムでも扱われている「歯のホワイトケア」とも言われているセルフホワイトニング、歯医者でしか受けられない医療ホワイトニングなど様々です。
しかし、取り分けその中でも歯医者のホワイトニングが歯を白くする効果が最も高いのは、「過酸化水素」や「過酸化尿素」という、歯医者でしか扱えない医薬品を使用するためです。
これは、医療従事者が扱わなければ危険を伴う可能性があるためですが、適切な使用をすることで安全に歯を白くする効果を得られます。
歯医者のホワイトニングは、歯の色素を分解する漂白効果と、歯の表面のエナメル質をザラザラにするマスキング効果があります。
このホワイトニングの働きによって、歯の表面のエナメル質は傷がついたような状態になり、歯の神経に刺激が届くことでしみるような症状を憶えます。
特に、歯の表面に小さなヒビがある人や、普段から知覚過敏が起こりやすい人は、しみる可能性が高くなったり、人よりしみ方が強くなる可能性はあります。
しかし、この症状は一時的なもので、歯に危険があるわけではありません。通常、半日〜1日程度で治まりますが、気になる場合は知覚過敏用の薬剤・歯磨き粉を使用したり、痛み止めを服用することでやり過ごすことができます。
歯医者で行うホワイトニングは、ホワイトニングサロンやエステサロンのホワイトニングに比べて、費用は高い場合がほとんどです。
これは、歯医者でしか扱えない医薬品を使うためや、歯科医師や歯科衛生士という国家資格を持った人が施術を行うこと、さらには安全性を担保し、効果を得るために様々な設備や薬剤、道具を使用するためです。
しかし、歯の白さに目安がある場合、その明るさにするためには、医療ホワイトニングでなければ難しい場合があります。
サロンやジムに比べて費用は高いかもしれませんが、きちんと効果を得るためには、医療ホワイトニングが適切です。
せっかく高いお金を払ってホワイトニングを行っても、その効果は永久ではありません。
通常、オフィスホワイトニングという歯医者で行う施術の場合で2〜3ヶ月、自宅で薬剤とトレーというマウスピースを使って行うホームホワイトニングで半年〜1年程度で歯の色が後戻りしていきます。
白くなった歯を長期間保つためには、定期的な歯のクリーニング、毎日の適切なセルフケア、そして後戻りし始めた場合のタッチアップが必要となります。
医療ホワイトニングは医薬品を使用するため「禁忌」というものがあります。
禁忌は医療用語では「してはいけないこと」を指します。医薬品にはそれぞれリスクや副作用があり、もちろん過酸化水素・過酸化尿素にも禁忌があります。
禁忌には健康や命に関わる絶対禁忌と、危険性は低いが医療行為として避けたほうが良い相対禁忌があります。
ホワイトニングにおける絶対禁忌は、現在のところ「無カタラーゼ症」が挙げられています。
カタラーゼという過酸化水素(尿素)を分解する成分を持たない病気です。ホワイトニングを行うと重篤な口腔疾患の罹患を招く恐れがあります。
ホワイトニングによって妊娠・授乳中に影響が出る可能性は高くありませんが、安全が立証されていないため避けたほうが良いとされています。
禁忌ではありませんが強い痛みが出たり、症状が悪化する恐れがあります。ホワイトニングをするためには、先に虫歯や歯周病の治療が必要です。
光線アレルギー・光線過敏症という皮膚が日光に対して過剰に反応する病気の方は、ブルーライトという光を照射するオフィスホワイトニングは避けたほうが良いとされています。光線アレルギーは日本人に約4%いるといわれており、皮膚が光(主に日光)に当たると過敏に反応してしまう病気です。
ブルーライトは、光線アレルギーに影響がある光とはされていないものの、赤み・痒み・炎症などを起こす可能性があります。そのため、光線アレルギーの方には、自宅で行うホームホワイトニングが適しています。
喘息などの呼吸器疾患や呼吸器系の病気がある場合は、医師による確認や注意が必要です。
ホワイトニング剤はガスが発生する可能性があり、そのガスによって喘息などの発作を引き起こす可能性があるためです。
特に持病として気管支喘息をお持ちの方は、ホワイトニングは避けたほうが良いでしょう。
冷たいものを口に含んだときに、「ピリッ」としみるような症状を「知覚過敏」と言います。
知覚過敏は虫歯ではないため、症状が限定的であれば治療の必要はありませんが、ホワイトニングを行うことで強くしみたり痛みを感じることがあります。
常に知覚過敏を感じる場合は、ホワイトニングを避けたほうが無難ですが、稀に知覚過敏を覚える場合でも、ホワイトニングを行うことでしみやすくなることも考えられます。知覚過敏のある方でホワイトニングを希望される場合は、担当医と相談して決めましょう。
歯医者で行うホワイトニングは医薬品を使いますが、身体や歯・口に悪い影響を与えることはまずありません。
それでも更に安全を担保するために歯科医師や歯科衛生士など、国家資格を持った医療従事者が、しっかりと患者さんの身体やお口の状態を確認してから施術を行います。
ただし、どんなお薬・医療行為でも、メリットがあればデメリットがあり、ベネフィットがあればリスクもあります。
歯のホワイトニングを安全に行うには、しっかりとお口の中を検査し、ホワイトニングについての説明を受け、同意した上で行うことが重要です。
いくら自分の望む白さにしても、ホワイトニングは時間の経過とともに少しずつ後戻りをしてしまいます。
しかし、その後戻りを防ぎ、白さを取り戻す方法があります。それが「タッチアップ」という、ホワイトニングの繰り返しです。
タッチアップは最初のホワイトニングに比べて効果が早く現れ、繰り返すうちに1回の効果も長持ちするようになっていきます。
白さだけではなく歯の健康を保つためにも、定期的にメインテナンスを受診いただき、必要に応じてタッチアップを行ってください。
定期的な歯科受診で、歯を白く・健康的に保ちましょう。
医療ホワイトニングは、歯を元の白さよりも白くすることができる、効果の高い美容施術です。
しかし、身体の状態によって「受けては行けない人」もいれば、「受けるのには注意が必要な人」もいる施術です。
そのため、何も知らずにホワイトニングを受けようとして、後悔した人もいるようです。
当院では、ホワイトニングを行う前には、必ずカウンセリングで身体の状態やホワイトニングの注意点を説明しています。
ホワイトニングで後悔することなく、白くて美しい歯を手に入れるために、ホワイトニングをご検討中でしたらお気軽にご相談ください。
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