歯並びを整えたいと考えたとき、多くの人が「どの矯正方法を選べばいいのだろう?」という疑問に直面します。
ワイヤー矯正やマウスピース矯正など、選択肢は多岐にわたり、それぞれにメリット・デメリット、そして費用も異なります。自分に合わない方法を選んで後悔しないためにも、事前の情報収集は非常に重要です。
この記事では、歯列矯正の基本的な知識から、それぞれの治療法の詳細な比較、クリニックの選び方までを分かりやすく解説し、あなたの矯正治療への第一歩をサポートします。
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歯列矯正と聞くと、単純に見た目をきれいにするための治療だと思われがちです。しかし、実際にはそれだけではありません。歯並びは、心と体の健康に深く関わっているのです。矯正を始める前に、その必要性について正しく理解しておきましょう。
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歯並びが整っていないと、食べ物が歯の間に挟まりやすく、歯磨きがしにくくなります。
その結果、虫歯や歯周病のリスクが高まることが指摘されています。また、噛み合わせが悪いと、一部の歯に過度な負担がかかったり、顎の関節に影響を及ぼして顎関節症を引き起こしたりすることもあります。さらに、発音が不明瞭になったり、口元のコンプレックスから人前で話したり笑ったりすることに消極的になったりと、精神的な影響も無視できません。
歯列矯正は、これらの問題を解決し、心身の健康を向上させるための医療的な側面も持っています
ご自身の歯並びが矯正治療の対象となるか、気になっている方も多いでしょう。以下に挙げるような歯並びは「不正咬合」と呼ばれ、一般的に矯正治療が推奨されるケースです。
これらのサインに心当たりがあれば、一度専門の歯科医師に相談してみることをお勧めします。
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歯列矯正には、主に「表側矯正」「裏側矯正」「マウスピース矯正」の3つの方法があります。それぞれに特徴があり、ライフスタイルや矯正したい内容によって向き不向きがあります。ここでは、各治療法のメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
歯の裏側(舌側)に装置を取り付けるため、外からはほとんど見えないのが大きな特徴です。
接客業や人前に出る仕事をしている方など、見た目を気にする方に人気があります。
ただし、装置が舌に当たりやすいため、慣れるまでは発音しにくさや違和感を感じることがあります。
歯の裏側(舌側)に装置を取り付けるため、外からはほとんど見えないのが大きな特徴です。
接客業や人前に出る仕事をしている方など、見た目を気にする方に人気があります。
ただし、装置が舌に当たりやすいため、慣れるまでは発音しにくさや違和感を感じることがあります。
透明なマウスピース型の装置を、段階的に新しいものに交換していくことで歯を動かす方法です。
自分で取り外しが可能で、食事や歯磨きは普段通りに行えます。装置が目立たず、痛みも比較的少ないと言われていることから近年人気が高まっています。
ただし、1日20時間以上の装着が必要で、自己管理が治療結果を大きく左右します。
それぞれの矯正方法の特徴を理解した上で、ご自身の優先順位に合わせて最適な方法を選びましょう。ここでは、目的別にどの治療法がおすすめかをご紹介します。
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できるだけ費用を抑えて矯正治療を受けたい方には、表側矯正(ワイヤー矯正)が第一の選択肢となります。
歴史のある治療法であり、多くのクリニックで比較的安価に提供されています。
特に金属製のブラケットであれば、費用を大きく抑えることが可能です。
治療中の見た目が気になる方には、裏側矯正(舌側矯正)またはマウスピース矯正がおすすめです。
裏側矯正は装置がほとんど見えないため、周囲に気づかれにくく治療を進めることができます。
マウスピース矯正も透明で目立ちにくいため、日常生活への影響を最小限にしたい方に適しています。
矯正中の痛みが不安な方には、マウスピース矯正が良い選択肢です。
ワイヤー矯正のように装置が口内を傷つけることが少なく、また、歯を少しずつ動かしていくため、一度にかかる力が弱く、痛みを感じにくいとされています。
理想の歯並びを手に入れるための矯正治療ですが、いくつかのデメリットや注意点も存在します。事前にこれらを理解しておくことで、治療中のトラブルを避け、後悔のない選択ができます。
矯正治療では、歯に力をかけて動かすため、ある程度の痛みは避けられません。特に装置を調整した後の数日間は、歯が浮くような痛みや、ものを噛むときの痛みを感じることがあります。痛みの感じ方には個人差がありますが、通常は数日で治まります。痛みが強い場合は、痛み止めを服用したり、硬い食べ物を避けたりするなどの工夫が必要です。
【参考記事】矯正歯科治療について
ワイヤー矯正の場合、装置が複雑なため、食べ物が挟まりやすく、歯磨きが難しくなります。
粘着性の高いキャラメルやガム、硬いせんべいなどは、装置の破損や脱落の原因となるため避けるべきです。
毎食後の丁寧な歯磨きを習慣づけ、歯間ブラシやタフトブラシなども活用して清潔を保つことが虫歯予防の鍵となります。
矯正治療によって動かした歯は、何もしないと元の位置に戻ろうとする「後戻り」という現象が起こります。
これを防ぐために、矯正装置を外した後は「リテーナー(保定装置)」と呼ばれる装置を一定期間装着する必要があります。
このリテーナーの使用を怠ると、せっかく整えた歯並びが元に戻ってしまう可能性がありますので、医師の指示に必ず従いましょう。
実際に矯正治療を始めると決めたら、どのようなステップで進んでいくのでしょうか。カウンセリングから治療後のメンテナンスまで、一般的な流れを把握しておきましょう。
手順1
まずは歯科医師によるカウンセリングを受け、歯並びに関する悩みや希望を伝えます。
その後、レントゲン撮影や歯型の採取、口腔内写真の撮影などの精密検査を行い、現在の歯や顎の状態を正確に把握します。
【参考記事】矯正カウンセリング
手順2
精密検査の結果をもとに、歯科医師が最適な治療計画を立案します。
どの矯正装置を使用するのか、抜歯は必要か、治療期間や費用はどれくらいかなど、詳細な説明を受けます。内容に十分に納得した上で、治療を開始することに同意します。
【参考記事】矯正歯科治療における標準治療の指針
手順3
治療計画に同意したら、いよいよ矯正装置を装着します。
その後は、定期的に(ワイヤー矯正なら約1〜2ヶ月に1回、マウスピース矯正なら約1〜3ヶ月に1回)通院し、装置の調整や歯の動きのチェックを行います。
手順4
計画通りに歯が移動し、きれいな歯並びになったら矯正装置を外します。
しかし、これで終わりではありません。後戻りを防ぐためのリテーナーを装着する「保定期間」が始まります。この期間も定期的に通院し、歯並びが安定しているかを確認します。
矯正治療は長期間にわたるため、信頼できるクリニックや医師と出会うことが成功の鍵を握ります。何を基準に選べば良いのか、3つのポイントをご紹介します。
歯列矯正は専門性の高い分野です。
日本矯正歯科学会などの学会が認定する「認定医」や「専門医」の資格を持つ歯科医師が在籍しているかどうかは、一つの重要な判断基準になります。
専門的な知識と豊富な経験に基づいた、質の高い治療が期待できます。
【参考記事】矯正カウンセリング
治療前のカウンセリングで、メリットだけでなく、デメリットやリスクについても丁寧に説明してくれるかを確認しましょう。
患者の質問や不安に真摯に耳を傾け、納得できるまで話し合ってくれる医師であれば、安心して治療を任せることができます。
矯正治療は自由診療であり、費用が高額になりがちです。
治療開始前に、総額でいくらかかるのかを明確に提示してくれるクリニックを選びましょう。
検査料、装置料、調整料など、何にどれくらいの費用がかかるのか、追加費用の有無などを事前にしっかりと確認することが大切です。
【関連記事】歯列矯正の費用【自由診療】
歯列矯正には様々な種類があり、それぞれにメリット・デメリット、費用、期間が異なります。見た目、費用、快適さなど、ご自身が何を最も重視するのかを明確にすることが、後悔しない矯正方法選びの第一歩です。
この記事で紹介した情報を参考に、まずは信頼できる歯科医院でカウンセリングを受け、専門家のアドバイスを聞いてみてください。
あなたにとって最適な治療法を見つけ、自信に満ちた素敵な笑顔を手に入れましょう。
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この記事の編集・責任者は歯科医師の井津上卓也です。
歯科医師 井津上 卓也

矯正の種類を徹底比較!あなたに合う選び方と費用を解説 | 公開日: 2025/12/03 | 更新日: 2025/12/03 | by
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