歯列矯正では、歯を並べるスペースを確保するために、抜歯をしなければならない場合があります。
通常歯医者で抜歯と言えば、虫歯や歯周病が進んでこれ以上の悪化を防ぐために抜歯を行いますが、矯正治療の抜歯は健康な問題のない歯を抜く場合もあります。この矯正のための抜歯を歯科では「便宜抜歯」と呼びます。便宜抜歯は疾病・疾患に関する治療ではないため、自由診療(例:当院の場合税込4,400円)となります。
もちろん、健康な歯を抜くことは決して良いことではありません。しかし、健康な歯を抜いてでも、歯並びを良くした方が虫歯や歯周病、咬合崩壊(多くの歯を失う状態)を防ぐことができると考えれば、「悪いこと」とも言い切れないのです。
実際、8020を達成した人のほとんどは、「歯並びに問題のない人たち」だったという調査結果も出てきています。そうなると、矯正のために抜歯をしてでも歯並びを良くしたほうが、見た目だけでなく将来的なお口の健康にもつながるということが言えると考えます。
※1)8020達成者の咬合分類 上下顎前歯の前後的関係は正常84.6%、上顎前突15.45%、反対咬合0%であった。垂直的関係は正常86.5%、過蓋咬合13.5%、開咬0%であった。
矯正治療で抜歯が必要な本数は人によって異なりますが、多いのは4歯もしくは2歯です。便宜抜歯の対象となるのは主に小臼歯という4番目の歯や5番目の歯。
これらの歯は抜歯が比較的容易で、親知らずのように切ったり割ったりする必要がありません。抜歯に要する時間はわずか数分。術後に痛みや腫れが出ることも少ないと言われています。
抜歯は矯正治療の進行に合わせて行われるため、片顎ずつ抜歯を行うことになります。何本抜歯になるかは、咬み合わせや歯のスペース、デコボコの状態によって異なります。片顎だけ2本、両顎4本、いずれも4番めの歯が多いですが、咬み合わせや歯の状態によっては5番目の歯を抜いたり、奇数(1本もしくは3本)の抜歯になる場合もあります。
4番以外の歯を抜く理由としては、5番目の歯が虫歯で被せ物のため予後が良くない場合や、歯の移動距離の問題などが上げられます。八重歯の手っ取り早い治療として、まれに3番目の犬歯を抜歯するところもあるようですが、3番目の歯は咬み合わせを保つ上でとても重要なため、3番抜歯は行なわない医院が多いと考えられます。3番を抜くと言われた場合は、セカンドオピニオンなどを利用し、慎重に検討した方が良いかもしれません。
抜歯直後は、たしかに隙間ができてしまいます。わらうとポコっと穴が空いたような状態になります。また、その隙間から空気が漏れるため、滑舌にも多少影響する場合もあります。
しかし、矯正治療は1ヶ月に1ミリ程度歯が動くので、両顎の歯を寄せてくると1ヶ月で2ミリ程度隙間は縮まります。そのため、わずか数ヶ月で隙間は気にならない程度にまで埋まってきます。完全に隙間が閉じるのは、早い方なら半年程度、遅い方でも1年もあればしっかり並んできます。
下顎の抜歯に関しては、日常生活においてはほとんど見えることがありませんので、気にならない事が多いですが、上顎に比べ抜歯窩にものが詰まりやすいということはあるかもしれません。矯正中の虫歯にならないために、しっかり歯磨きは必要です。
将来的に後戻りしにくい咬み合わせを作るためには、親知らずも抜歯をした方が良いとされています。つまり、便宜抜歯が4本必要で、親知らずが4本ともある方の場合、最大8本の抜歯が必要ということになります。親知らずの抜歯は、便宜抜歯に比べ難易度が高く、場合によっては大学病院等の口腔外科など入院設備のある病院で抜歯をお願いされることもあります。
しかし、親知らずは抜歯をしないケースもいくつかあります。
1つは咬み合わせが作れる場合。真っ直ぐに生えて咬み合わせに問題がない場合です。
2つ目は移植や移動が考えられる場合。7番がだめな場合に親知らずを7番のところに移動したり、将来的に抜歯が必要になった歯を移植で使えそうな場合です。
3つ目は親知らずの抜歯にリスクが高い場合です。大きな神経が近くにある親知らずは、抜歯をすることで麻痺や障害が残る場合があるためです。
「歯を1本減らす」ことに抵抗がある方は少なくありません。例えば同じ身体の一部で、5本ある指を4本にすると言われて納得できる方はいないと思います。
歯も同じ身体の一部ですから、健康な歯を抜くということは、通常では考えられないことだと思います。
しかし歯並びを整え、正常な咬み合わせを作るためには、抜歯矯正はやむを得ない選択となります。咬み合わせは片顎12歯あれば、しっかり噛める咬合にすることは可能です。出っ歯や口が閉じないという悩みも解消できます。その上、虫歯や歯周病のリスクも下ります。これらのベネフィットと抜歯によるリスクを天秤にかけると、抜歯をした方が問題が起きにくいとも考えられます。
ただ、抜歯をしないための矯正治療もあります。それは小児矯正です。成人矯正はスペースを作って歯を並べる治療ですが、小児矯正は歯が並ぶためのスペースを作る(顎を広げる)治療です。小児矯正を行うことで、成人矯正が必要になっても抜歯を免れる場合もあります。
歯並びや咬み合わせは遺伝するものですので、将来お子様の歯を片顎14本ずつで並べてあげたいという思いがおありなら、お子様の歯並びも早い段階で歯科医師に相談しましょう。
成人矯正は、すべてのケースで抜歯が必要なわけではありません。中には非抜歯矯正と言って、抜歯無しで治療ができる場合もあります。特に、近年では非抜歯矯正が得意なマウスピース矯正が増えてきているため、抜歯無しでの矯正治療は増えてきています。
非抜歯矯正は、歯が並ぶスペースがある場合や、抜歯の代わりに歯を少しずつ削ったり、後ろに送ることでスペースを作ります。
しかし、気をつけなければならないのは、しっかり矯正医が矯正後の咬み合わせを見通せていなければ、前突傾向(出っ歯気味)で矯正治療が終了してしまう場合があります。前突(出っ歯)傾向の方や、デコボコ・歯の重なりが強い方には非抜歯矯正は向いていません。
矯正治療で後悔しないためには、矯正治療による歯の動きと咬み合わせのゴールを、矯正医としっかり相談して抜歯・非抜歯を決めてもらう必要があります。
※口呼吸のリスク…虫歯・歯周病・アレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎・気管支喘息・脳の発育障害・感染症(風邪・インフルエンザ・新型コロナ)・慢性扁桃炎・ドライマウスなど、口呼吸は様々な病気のリスクが伴うことがわかっています。
※口呼吸のリスク…虫歯・歯周病・アレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎・気管支喘息・脳の発育障害・感染症(風邪・インフルエンザ・新型コロナ)・慢性扁桃炎・ドライマウスなど、口呼吸は様々な病気のリスクが伴うことがわかっています。
当院にご相談にお越しになられる患者様においても、「抜歯」に関してはご意見やご要望をお持ちの方は少なからずおられます。
「歯並びは治療したいけど、抜歯が必要か知りたい」「矯正治療したいけど抜歯はしたくない」「抜歯せずに矯正できるなら矯正したい」など、抜歯を基準に考えられる方もおられるようです。
しかし、その理由が「痛そうだから」とか「歯を1本抜くと咬み合わせが弱くなりそうだから」と、歯科医院で説明を受ければ「なんだその程度か」と理解できる内容を履き違えて考えておられることも多くみられます。
抜歯以外においても、矯正治療は患者様ごとに治療の選択肢は異なり、それぞれオーダーメイドの治療計画が必要な治療です。ですから、「自分の場合はどうなのか」を知るには、歯科医院を大いに活用してください。レントゲンや口腔内写真、模型や光学印象など、資料を撮れば歯科医師は多くのことがわかります。矯正治療の第一歩は検査と相談です。
当院でも矯正は無料相談も承っていますので、歯並びでお悩みでしたらお気軽にご相談下さい。。
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