歯は歯槽骨(あごの骨)によって支えられています。お口の中に汚れが溜まるとまず歯茎が炎症を起こし、腫れたり出血したりします。この炎症が続くとやがて歯槽骨も炎症を起こすようになり、骨が溶かされ、歯を支えられなくなり抜けてしまいます。これらの症状を総称して歯周病と言います。
歯周病は感染者数の多い感染症として知られており、ギネスブックにも掲載されたことのある身近な病気です。また、感染者数が多いだけでなく、歯が抜ける原因の第一位を占めるほどリスク・実害の高い病気でもあります。
歯周病は歯が抜けてしまう1番の原因と言われています。(※1)歯茎がブヨブヨとして出血したり膿が出るような、歯周病の末期状態は歯槽膿漏と呼ばれています。
歯周病(歯槽膿漏)は歯周病菌を含んだ汚れ(歯垢・プラーク)が溜まることが原因で進行します。
第2回永久歯の抜歯原因調査報告書より、
図29「抜歯の主原因(全体)」を元に独自に作成
※1)抜歯の主原因別の割合を図29に示す。最も多かったのは歯周病(37.1%)で、次いで、う蝕(29.2%)、破折(17.8%)、その他(7.6%)、埋伏(5.0%)、矯正(1.9%)の順であった
0.5〜2mm
なし
歯周病は歯肉溝に汚れ(プラーク)が溜まることで進行します。
4mm以内
歯根長の1/3未満(<15%)
歯肉にプラークがたまり、歯肉が炎症で腫れることで歯周ポケットになります。
5mm以内
歯根長の1/3未満(<15〜33%)
歯周病菌が歯の周りの組織に侵入し、歯を支えている土台となる骨が破壊され始めています。
6mm以上
歯根長の1/3を超える
歯の周り骨も歯の根の長さの半分近くまで破壊され、歯がぐらつき始めます。
6mm以上
歯根長の1/3を超える
歯の周りの骨が半分以上破壊され、歯はグラグラと揺れます。
歯周病は歯周ポケットが深くなることで、そこに歯周病の原因となる細菌が住み着きます。細菌にも種類がたくさんあるのですが、このような深いポケットに住み着くタイプの細菌は強い匂いを放つ物質を放出します。これらは卵や野菜が腐った時に発生する臭いと同じ成分です。
自分の口臭は気づきにくいですが、歯周病にかかっているとこのような不快な臭いがお口から発生していますので、周囲の人に指摘されて受診する方も少なくありません。
歯周病は歯の周りだけでなく、歯周病原菌が血液中に入り全身をめぐることで、以下のように全身的な病気の原因となる可能性があります。
特に糖尿病は関係の深い病気として知られており、歯周病にかかっていると糖尿病にかかる確率が2.6倍も上がるといった調査結果もあります。
歯周病(歯槽膿漏)は、全身の健康に大きな影響を及ぼす病気です。
以下のような症状があれば、要注意となりますので、歯科医院の受診をオススメいたします。
2つ以上あれば、要注意!5つ以上は、危険な状態と言えます。できるだけ早く対策をしていきましょう!
歯周病で侵される骨や歯茎は、家に例えると、支えとなる基礎です。
シロアリ(=細菌)が棲み付いた家であっては、リフォーム(=詰め物、被せ物など)もできません。
急を要する場合以外は、歯周病治療から開始いたします。
ここからは、私たち歯科衛生士にお任せください。
お口の中に棲んでいる細菌を、映像で見ていただきます。細菌の種類や動き方、数、大きさなどを見ることで、大体のリスク判断ができます。
歯と歯茎の間にある溝(ポケット)の深さを測定します。歯茎の腫れや骨の溶け具合、歯石の有無などが分かります。
私たちが細菌をコントロールするには限度があります。自宅での正しい歯磨きがあってこその、健康な歯と歯茎です。
いい状態をできるだけ長くキープできるように、正しい歯磨きの方法をマスターしてください。
コミュニケーションを重視し、情報を加味して、患者様に最適な治療を提供できるよう努めています。
歯周病の進行具合により回数が異なるのは、歯磨きをする(=見えている)部分でなく、歯茎に隠れている歯石を取り除く為、数ミリ程度の細かい作業で慎重に行わなくてはならないからです。
もちろん、治療方法や回数などは貴方様と相談しながら治療していきますのでご安心ください。痛がりや怖がりな方でも、安心してくださいね。
口には色々な役割があります。物を食べたり、人とお喋りをしたり、呼吸の出入り口になったり。その中で「他人とコミュニケーション」というを考えると「人とのお喋り」という点において、「匂い」が気になられる方も少なくないようです。時として口臭はいじめの原因になったり、それがコンプレックスとなり人とのコミュニケーションを避けてしまうようなこともあります。昨今、テレビ・インターネット等では多くの口臭関連情報で溢れかえっています。口臭予防効果を謳っている洗口剤、歯磨き粉、歯ブラシ、ガム、タブレット等の多くの商品が数多く販売され、利用されています。しかしそのほとんどは口臭に対して万能なものではなく、一時的な効果にとどまったり、匂いをごまかすだけのものに過ぎない場合もあります。歯科医師としての観点から考えれば「正しい情報」を精査して、きちんと口臭を予防・治療をする必要があると考えています。
口臭は大きく分けて2つあり、生理的口臭と病的(器質的・身体的)口臭に分類されます。その中で生理的な口臭はさらに一般的な生理的口臭・ホルモンの変調などに起因する生理的口臭、嗜好物・飲食物・薬物による生理的口臭の3つに分けられます。表1はそれぞれを具体的に掘り下げた内容です。
次に2つ目の病的(器質的・身体的)口臭について掘り下げていくと、これらは3つに分けられ歯科口腔領域の疾患・耳鼻咽喉領域の疾患・全身(内科)疾患に細分されます表2。歯科口腔領域の疾患の原因は歯周炎、特殊な歯肉炎、口腔粘膜の炎症舌苔、悪性腫瘍などがあり、耳鼻咽喉領域の疾患の原因は副鼻腔炎、咽頭・喉頭の炎症、悪性腫瘍などがあり、全身(内科)疾患の原因は糖尿病(アセトン臭)、肝疾患(アミン臭)、腎疾患(アンモニア臭)があります。(※1)
表1 生理的口臭 | ||
一般的な生理的口臭 | ホルモンの変調などに起因する生理的口臭 | 嗜好物・飲食物・薬物 |
原因 加齢性口臭、起床時口臭、空腹時口臭、緊張時口臭、疲労時口臭 | 原因 妊娠時口臭、月経時口臭、思春期口臭、更年期口臭 | 原因 ニンニク、アルコール、薬物(活性型ビタミン剤) |
表2 病的口臭 | ||
歯科口腔領域の疾患 | 耳鼻咽喉領域の疾患 | 全身(内科)疾患 |
原因 歯周炎、特殊な歯肉炎、口腔粘膜の炎症舌苔、悪性腫瘍な | 原因 副鼻腔炎、咽頭・喉頭の炎症、悪性腫瘍 | 原因 糖尿病(アセトン臭)、肝疾患(アミン臭)、腎疾患(アンモニア臭) |
このように一口に口臭といっても、その原因は多岐に渡ります。これでは、もし口臭が気になったとして、何科の病院にかかれば良いのかわからなくなってしまうかもしれません。しかし、病的口臭の90%以上は口の中に原因があると言われていますので、ほとんどの場合口臭症の治療は歯科を受診頂いて大丈夫かと思います。その上で耳鼻科系の病気・全身(内科)系の疾患が疑わられる場合は、ご紹介という形で然るべき医療機関への受診をおすすめすることが可能です。ですから、歯科を受診時にお薬手帳や現在罹患している疾患の情報をお持ち頂ければ、口臭の原因が病的且つ歯科疾患以外の原因である場合、その原因の究明に役立つ情報となります。
※1)口臭と口臭症の分類
口臭症の診断は問診と歯科医師の嗅覚による判定となります。この際、本人が気にされておられるほど匂いがない場合もあれば、匂いによって臭気の成分がわかるものなどもあります。例えばペリオ臭と言われる歯周病独特の匂いや、アンモニア臭という内臓疾患が原因の匂い、アセトン臭という糖尿病が原因の匂いなど、「嗅覚」という主観的な判定ながらも原因の究明につながることも少なくありません。
当院では口臭測定器(ブレストロン)を使った診断も可能です。ただし、これは匂いの強さを数値化するものであり、匂いから原因がわかるものではありません。そのため自身の口臭が強いものなのか弱いものなのかということを、数字で確認することに特化した機器となります。
口臭症の原因が口腔内にある場合、口腔内の視診や歯周組織検査を行うことで「口臭の原因となる可能性のある疾患」を見つけることができます。例えば歯周病であれば歯垢や歯石の有無、歯周ポケットの深さ、歯ぐきの腫れや炎症などがその原因となり得ます。もちろんむし歯も匂いを発します。これらから複合的に診ることで、口臭症の診断を行い、原因を追求していくことが口臭症の治療の第一歩となります。
口臭への対応と口臭症治療という論文の「口臭治療の流れのフローチャート」(※2)によると、口臭検査によって「客観的口臭あり」と判断された場合、歯周病などの歯科疾患がある場合→歯周治療・清掃指導・その他治療、歯科疾患が無い場合→舌苔有無→舌清掃・耳鼻科への紹介という流れになっています。
つまり、基本的な口臭の治療というのはむし歯や歯周病の治療ということになります。逆に言うと、歯を磨かないことで口の中が臭くなるのではなく、歯を磨かないことでむし歯や歯周病が進行し、臭くなるということになります。ですから、口臭に対してはむし歯や歯周病を治療し、菌を取り除くことが大切で、口臭予防としてはむし歯や歯周病にならないことが大切となります。
口臭は古くから人々の悩みの種となっていて、誰にでも“におい”のない口(呼気)はあり得ないにもかかわらず他人の反応が気になってしまうものです。しかし嗅覚の特殊性から自分自身でその臭気レベルを知ることは困難なことと言えます。ご自身の「お口の匂いが気になる」、「第三者から指摘を受けた」などでお悩みなら、まずは歯科を受診して下さい。口臭は誰にでもあり恥ずかしいことではありません。もしかしたらその口臭は歯科疾患のサインなのかもしれません。大切な歯を守るためにも、他人の反応を気にしないためにも、口臭が気になったらお気軽にご相談下さい。
※2)検査の結果,「口臭あり」と判定された場合:その原 因疾患の治療をすると共に,自己の口臭に拘りを持つ患 者に対しては,常にメンタル面のケアが必要となる
毎日のブラッシング
毎日、きちんとしたブラッシングをして、丁寧に歯垢(プラーク)を取り除くことが大切です。
歯の定期検診
早めの診療
歯周病は、初期のうちなら完治することができる病気です。
また、かなり悪化していても現在は治療法の進歩により、適切な治療とセルフケアで歯を抜かなくてもよいケースが増えてきました。
しかし、歯周病が進行してしまい一度骨が溶け始めると、溶けた部分の骨は戻ってこないことが多く、歯の根っこが出たままの状態になることや、歯周病で移動してしまった歯を元の位置に戻せない場合もあります。このように、歯周病の進行度合いによっては、若く健康な状態のお口に戻すのが困難な場合があります。
少しでも自覚症状を感じたら、痛みを感じなくても、積極的に歯科医院で診察を受けましょう。
ペリオテスト(歯周病リスクテスト)
口の中の歯垢(プラーク)を調べて、歯周病であるか、バナペリオテストで、歯周病になる可能性があるかどうかを調べます。
口の中の細菌は約500種類と言われています。
その中で歯周病の原因となっているのは10種類で、そのうちの3種類が歯周病の重症化の原となっていると言われています。
バナペリオ検査は、重症化を招く3種の細菌の有無を5分間で判定することができます。
菌が存在した場合には、特定の抗生剤を処方し菌の減少を図ります。
ギネスブックに全世界で最も蔓延している病気は歯周病(歯槽膿漏)である。地球上を見渡してもこの病気に冒されていない人間は数えるほどしかいない。
と記されたこともあるほどの感染率を誇る歯周病。日本でも2016年の厚生労働省の歯科疾患実態調査では15歳以上で4mm以上の歯周ポケットを有する者の割合は平均で43%以上、55歳以上になると50%以上(2人に1人)がこの歯周病に感染している
ことがわかっています。
では歯周病(歯槽膿漏)は治らないのでしょうか?これは歯科医師によって見解が違う所があるので明言するのは難しいの話ですが、アップル歯科では「改善できる」という考えを一つの指標としています。
たとえば手や足に擦り傷を負ったとして、これは時間が経てば跡形もなく治ります。このように元通りになることを「治った」というのであれば歯周病(歯槽膿漏)は治すことは難しいといえます。
逆に、癌や盲腸のように外科手術などで患部を切り取ったとします。これは進行は止めることは出来たとしても切り取った部分は戻ってきません。これを「治った」とするのであれば歯周病(歯槽膿漏)は治すことはできるといえます。
4mm以上の歯周ポケットを有する者の割合の年次推移
引用元:厚生労働省 平成28年歯科疾患実態調査
つまり、100%元通りには出来なくても今の状態よりも良くすることはできる。というのが「改善できる」という考え方になります。
例えば軽度の歯周病(歯槽膿漏)であれば、骨の吸収も見られず、ほぼ元通りに改善することができます。中等度の歯周病(歯槽膿漏)であっても、溶けてしまった歯を支える骨は戻すことはできませんが、歯ぐきをしっかりさせることで歯を支える力を取り戻すことは出来ます。
重度の歯周病(歯槽膿漏)でも歯周外科によって歯肉を再生させ、歯の延命を図ることはできます。
症状や進行の度合い・個人差によって、回復の度合いは変わりますが100%は無理でも80%まで症状を改善する、溶けた骨は戻せなくても痛みや腫れの原因を取り除くことが出来る、というのが歯周病(歯槽膿漏)の改善です。
大切なのは、改善してから歯周病(歯槽膿漏)を再発・悪化させないことです。治療したからといって口の中から細菌が消えることはありません。しかし、これ歯周病による口腔内環境の悪化を止め、症状を和らげることは治療によって可能であると言えます。
そもそも、歯周病と歯槽膿漏とはどういうものなのでしょうか。実は、病気としては、同じものです。歯周病の中の一つの症状が歯槽膿漏という状態で、歯周病が進行して歯ぐきから膿が出始めた状態のことを歯槽膿漏と呼びます。その手前を歯周炎と言い、歯周炎が進行した状態が歯槽膿漏ということになります。
歯周病は、進行する病気で段階を踏んで悪化していきます。まずは歯肉炎という軽い歯肉の炎症からはじまり、軽度の歯周炎→中等度の歯周炎→重度の歯周炎と、徐々に悪化していきます。この重度の歯周炎の一つの症状が歯槽膿漏で、歯槽骨という歯を支える骨が溶け始め、歯ぐきから膿が出て、歯もぐらつき始めてしまう状態です。
つまり、歯肉炎・歯周炎・歯槽膿漏の総称が歯周病ということになります。
歯周病(歯槽膿漏)の悩みの一つに、「匂い」があります。家族や知人から「口臭がする」「歯周病じゃないの?」と指摘されることもあるかもしれないほど、「気になる匂い」を発します。
実はこの歯周病(歯槽膿漏)の匂いは「菌」が原因です。歯周病はこの菌による病気で、この菌の死骸が膿として排出され、「硫化水素」や「メチルメルカプタン」というガスを発生します。これらのガスが匂いの正体です。つまり口臭を改善するためには、この菌を口腔内から減らすことが重要となります。
しかし残念ながら、この菌だけをお薬で殺したり、追い出すことは難しいため、匂いを止めるにはこの歯周病菌の住処を除去することで菌の数を減らす必要があります。その住処というのがプラーク(歯垢)であり、そのプラークが固まったものが歯石という取れない石となり、その歯石がまたプラーク付着の原因となります。
最近では歯周病(歯槽膿漏)用の歯磨き剤や薬剤がインターネットやドラッグストアーでもたくさんおいています。歯科医としてこれらを使うことは基本的には推奨します。但しどの商品がその症状において良いかどうかはここでの明言は避けておきます。
しかし、それによって歯周病が治るかというと疑問符が付きます。軽度の歯周病であれば効果があるかもしれませんが、中等度以上の症状であればこれらの商品だけで改善することは容易ではない、むしろ難しいとは思います。歯周病(歯槽膿漏)は進行する病気です。ですから「まずは一般の薬で様子を見てみよう」と歯医者から遠のいてしまううちに、症状が進行し悪化してしまうことが一番怖いのです。
仮に、一般の歯磨き剤や薬剤で治るのであれば大いに喜ばしいことであると思います。しかし、それだけに頼ってしまったことによって、結局どうしようもない状態で歯医者に来られる方が後を絶たないという事だけはお伝えしておきます。
市販の歯磨き剤や薬剤は「歯周病に対して効果がある」ものであり、「歯周病を治癒できるものではない」というのが当院の見解です。
歯周病の原因は自分では取り切れないプラークやバイオフィルム、歯石です。これらの除去をせずに改善するることはできません。
残念ながら100%それだけで歯周病(歯槽膿漏)を治すことができるお薬は、今のところ私たちの耳には届いておりません。「歯周病かな?」と思ったら、まずは歯科医院に相談に行かれることをお薦め致します。
STEP1
まずは自分が歯周病に罹患しているのか、あるいはどの段階にあるのかを知る必要があります。歯周病(歯槽膿漏)度をチェック
ご自身で判断するのは危険ですが「歯ぐきの状態」「臭い」「歯磨き時の出血」などの症状から推測することが多いでしょう。しかし、これらの症状が出ているのであれば、まず歯周病であると考えるべきです。なぜなら歯周病はサイレントディジーズ(静かな病気)と言われるほど自覚するのが難しい病気で、自覚症状が出ている場合はすでに進行が進んでいると場合が多いためです。
結局のところ、歯医者に行って歯周病の検査を受けることが現状を把握する唯一の手段となります。これまでは「軽度・中等度・重度」に分類されてきた歯周病ですが、現在ではステージI〜ステージIVに分類され、それぞれによって治療にアプローチの仕方も変わってきます。現状を知り、今あなたにどんな状態でどんな治療が必要なのかを知るところから始めましょう。
STEP2
歯周病(歯槽膿漏)になっているとすれば現在のセルフケアは充分でないということは確実です。つまり改善する必要があります。
歯科医師や歯科衛生士による歯磨き指導により正しい歯磨きの仕方を身に着けましょう。実は「正しい歯磨きの仕方を習ったことがない」という方は、少なくありません。歯科医院での歯磨き指導は、正しい歯磨きの仕方を身につけるだけでなく、ご自身の苦手な部位や磨けていない部分も理解して改善することが可能になります。
歯周病(歯槽膿漏)用の歯磨き剤なども有効です。また、デンタルフロスや歯間ブラシを使用することも大切です。それらも含めて正しいケアの方法を身につけることが歯周病(歯槽膿漏)を進行させない自分自身が出来るたった一つの方法となります。
STEP3
病気を治すには原因を除去することが重要です。歯周病(歯槽膿漏)の場合、その原因というのが歯垢(プラーク)や歯石、そしてそこを住処にしている歯周病菌となります。
これらを除去し、菌の活動を抑えることが歯周病(歯槽膿漏)の原因治療となります。具体的には歯垢(プラーク)・歯石の除去をスケーリングやルートプレーニングで行ったり、場合によっては歯ぐきの中の歯石を取り除いたり歯肉や人工骨による骨の造成を行う歯周外科などがあります。
STEP4
歯周病は治癒することが難しい病気です。その上感染もして、進行もする病気で、治療をしても再発することもある病気です。
そこで大切になってくるのが予防することです。歯周病は治療することは難しいが予防できる病気なのです。最近は「予防歯科」という言葉をテレビCMなどで耳にすることが多くなり、ご存知の方も多いと思います。
年に3〜4回、歯医者に通えば例え再発してもすぐに治療が可能であり、何もなくても再発の原因となる歯垢や歯石を落とすことでリスクを大きく下げることができます。そして治療に比べて痛みを伴う処置が少ないこと。それに加えて正しく身につけた毎日のセルフケアで、歯周病のリスクや進行は大きく変わってきます。アップル歯科の予防歯科についてはこちら
歯周病(歯槽膿漏)の原因はお口の中の菌であることは間違いありません。しかし、歯周病(歯槽膿漏)になる原因はそれだけではありません。それは歯並びであったり遺伝であったり、咬み合わせであることも。
歯周病(歯槽膿漏)を改善し、良い状態を維持していくためにはそれらの原因を潰していくことが大切です。いくら正しいセルフケアをしても、歯並びが悪ければ取り除けない歯垢は必ず出来てしまい、歯石へと変わっていきます。いくらお口の中の菌の数を減らしても、キスや食べ物・飲み物の回し飲みなどから新たな菌に感染してしまうこともあります。また、咬み合わせによって進行が早まったり状態が悪化することも考えられます。
このような一つ一つの要因を解決し、予防することで自分の歯を長く保てる可能性を高めていきます。一生自分の歯で美味しくものを食べていくために、また歯周病(歯槽膿漏)が原因となる全身の病気を予防するためにも、その原因治療を一度検討することが大切です。アップル歯科では、歯周病治療が必要な患者様にカウンセリングで詳しくご説明しています。
歯周病予防、歯周病で弱った歯ぐきに…、歯周病専用歯磨き。世の中にはたくさんの歯周病関連商品がでています。もちろん、予防やセルフケアの一環としての使用は歯科医師としても大賛成です。しかし、もしあなたが歯周病でその症状が進行している段階なら、市販薬だけで歯周病に立ち向かうのは無謀です。
恐ろしいのはこの病気は自覚症状が出にくいことです。「歯ぐきが痛い」「歯がぐらつく」「歯ぐきがぶよぶよしている」と気づいた時には既に症状が進行している状態です。その時点で、歯周病の進行を何とか食い止めようと市販の歯周病関連商品を買い漁っても、溶けてしまった骨が戻ることはありません。
まずは歯周病菌の巣窟である歯垢を取り除くこと。そして菌と菌の居場所をなくしていくことが大切なのです。色んなグッズを買い揃える前に、是非一度歯科医院での検診と治療を試してみて下さい。当院では、歯周病の悩みを解決できる、一人ひとりの患者様に合った方法をご提案いたします。
歯科での予防を続けると
下記写真の患者様は、歯周病でご来院された患者様です。当初は歯周病が進行しており、歯並びも良くないことから「数年以内に何本かは諦める必要がある」と考えていました。しかし歯周病治療のあと、2010年〜2018年現在まで、定期検診を続けられた結果この状態のまま抜けずにとどまっています。もちろん、すべての方が歯周病治療とメインテナンスだけで同じ結果が得られるわけではないですし、この状態から数年間トラブルなしというのは稀な例かもしれません。しかし、少なくともこの患者様にとってはメインテナンスと歯磨きでこの状態を維持しているということはご理解いただけると思います。効果に差はあれど、歯科医院でケアを受けることが、歯周病を改善していく上では不可欠だと言えます。
Before
After
治療内容早期進行型の歯周病。スケーリングとルートプレーニングによる歯周病治療を繰り返し、最終的にはSTPⅡ(歯周病安定期治療)に移行し、歯周病の検査・管理を行いました。
期間初診から9年間、45回の通院
費用およそ47,600円(9年で合計45回の通院)
内訳:プラークコントロール・機械的歯面清掃・スケーリング・スケーリング・ルートプレーニング・咬合調整など
※当初は医療費助成制度により600円/日
リスクスケーリングやスケーリング・ルートプレーニング後は歯がしみる場合があります。
【新規の患者様専用】予防歯科WEB予約
種類 | 説明 | 料金 |
---|---|---|
![]() ブラッシング指導 |
日常のセルフケアのための、プロ(歯科衛生士)によるブラッシング指導です。磨けていないところの指摘や磨き方、全体的なケアの方法などを指導いたします。 治療期間…1日、治療回数…1回 |
30分/3,000円 税込3,300円 |
![]() スケーリング |
歯科衛生士がスケーラーという器具を使って、歯面に沈着したプラークや歯石をはじめとした歯面に沈着したものを除去していく処置です。 治療期間…1日〜2週間、治療回数…1〜4回 |
30分/5,000円 税込5,500円 |
![]() ルートプレーニング |
歯科衛生士が目視できない歯石の除去を行い、更に歯面を滑らかにし、歯石の再付着を予防すると共に歯肉の再付着を促します。
治療期間…1日〜2週間、治療回数…1〜6回 |
60分/8,000円 税込8,800円 |
![]() PMTC |
Professional Mechanical Tooth Cleaningの略で、プロ(歯科衛生士・歯科医師)による機械歯面清掃です。専用の機器やフッ化物入りの研磨剤などを使い、磨き残しや歯面の汚れを全て落とし、むし歯や歯周病になりにくい口腔内環境を作ります。 治療期間…1日、治療回数…1回 |
30分/5,000円 税込5,500円 60分/8,000円 税込8,800円 |
![]() メインテナンス |
歯科医師や歯科衛生士による治療箇所の経過観察、歯周病予防、咬合チェック、虫歯チェックを行います。 治療期間…1日、治療回数…1回 |
60分/8,000円 税込8,800円 |
![]() クラウンレングス |
歯冠延長術という、歯肉や歯槽骨を削ることでむし歯や歯が割れている部分を歯肉の上に出し、抜歯を免れるための保存法です。歯茎や歯を支えている骨を削ることでむし歯や歯が割れている部分を歯茎の上に出し、抜歯を免れるための保存法です。
リスク・副作用 |
1歯/50,000円 税込55,000円 全顎/200,000円 税込220,000円 |
![]() FOP |
歯肉剥離掻爬術という、歯周病に対し行われる治療で、歯と歯茎の間奥深くにあり通常の器具では除去する事ができない歯石を取り除く際に行う施術です。
リスク・副作用 |
30,000円 税込33,000円 |
![]() FGG・CTG |
歯肉移植術という、痩せて薄くなった歯肉や、歯を抜いた後に陥没した部分がある場合に、他の部位から歯肉を移植する歯周外科処置です。
リスク・副作用 |
70,000円 税込77,000円 |
![]() GBR・エムドゲイン |
骨誘導再生ともいう、失った歯槽骨や顎骨などの骨組織の再生を人工膜や自家骨、骨補填剤を使って骨を造成する治療方法です。
リスク・副作用 |
100,000円 税込110,000円 |
痛みが苦手・怖い人の歯周病治療・予防として、痛みの少ない「ペリソルブ」という薬剤を使った治療があります。
これは、歯周病の原因となる歯垢や歯石を薬剤で融解・殺菌して病巣を取り除くという方法です。これを使うことにより、より痛くなく・低リスクでの歯周病治療や予防が可能です。その効果は論文でも認められています。
本研究の結果は、エアポリッシュまたはペリソルブ®の適用により、細胞の生存と根表面でのPDL細胞の拡散が可能であることを示しています。
ペリソルブは、歯垢や歯石に薬剤が作用し、溶かした上で掻き出すという歯周病治療です。歯周病治療では、超音波の器具や、刃のついた特殊の器具を用い、歯石などの汚れを物理的に取り除く方法が行われます。
通常の歯石取りは、機械の振動や刃物のようなもので歯石を取り除くわけですから、多少なりとも痛みを感ることがあります。しかし、ペリソルブを使うことでその硬い歯石を融解するので、歯肉を傷つける可能性の少ない歯周治療が可能です。更に歯肉を傷つけにくいことから治りも早く、歯肉炎の腫れなども早く引きます。
歯周病治療は、歯ぐきの中の歯石を取る際に出血を伴うことが多々あります。出血があると歯石を除去する際に歯石や歯垢内の細菌が飛散し、歯肉から雑菌が血管に侵入すると全身疾患に繋がったり、細菌を吸い込むことで誤嚥性肺炎の発症の原因となることもあります。ペリソルブを使うことで痛みと共に出血を防ぐことが出来るので、当然ながら感染のリスクも下がります。さらに、ペリソルブの殺菌性により歯石自体も塗布することで殺菌してくれます。口腔内や体内への感染を最小限に低くしてくれる治療です。
ペリソルブの塗布
軟化した歯石の除去
歯肉の回復
明石アップル歯科について
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