保険の根管治療と自由診療の根管治療

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保険の根管治療と自由診療の根管治療

歯の根の治療には選択肢があります

むし歯の進行や外傷、咬み合わせの問題で必要になる歯の根の治療。ときには激しい痛みを伴い、いても立ってもいられないほど苦しむ方もおられる歯の根の病気。

これは、歯の根に膿がたまり、炎症を起こしていることが原因で起こる痛みです。この症状を緩和するには、歯の神経を取り、歯の根にたまった膿を抜き、根管を清潔にしてお薬を入れることで治まります。

しかし、この「神経を取る」処置には、実は保険診療と精密な治療を行う自由診療とで、大きな違いが出てきます。

根管治療と精密根管治療の違い

まず、お伝えしておきたいのは、これは決して保険診療が悪いという内容ではありません。歯の根が病気になったとき、必ずしも治療が必要となります。海外の保険がない国では、歯の根の治療に10万円以上が必要な場合も多く、それを5,000円前後で受けられる日本の保険システムは、賞賛に値するほど素晴らしいとすら感じます。

日本には、この根管治療にこの保険治療以外に、医院にもよりますが精密な根管治療を行っているところもあり、選択肢があるということです。よくこの自由診療を精密根管治療(精密歯内療法)とも言いますが、精密根管治療は保険の治療と差別化するために着けられたニックネームのようなもので、とくに精密根管治療というものに定義があるわけではありません。

では、根管治療と精密根管治療はどこが違うのでしょうか

保険診療の根管治療 自由診療の根管治療

成功率・再治療率

根管治療の保険診療における再治療率(※1)
根管治療再治療率 45%〜70%

根管の形状は個人で差があり肉眼では見えづらく難しい治療です。

精密根管治療の自由診療における成功率(※2)
根管治療(病巣なし) 90%以上
根管治療(病巣あり) 約80%
再根管治療 70%〜80%
再根管治療(病巣あり・根尖破壊あり) 約50%

再発のリスクがより少ない治療が可能になっています。

視野

主に肉眼
(拡大鏡を使っても確認程度)

肉眼で見た根管

マイクロスコープ
(明るく・拡大された視野)

マイクロスコープで見た根管

感染対策

直接
(歯科医の裁量によってラバーダム)

ラバーダム防湿

ファイル

ステンレスファイル
(折れる可能性がある)

ニッケル・チタンファイル
(強度と柔軟性がある)

時間

1回15分〜30分

1根管1回1時間程度

治療回数

5〜6回程度(補綴別途)

1回(補綴別途)

※1)根管治療の保険診療における再治療率

2005.9~2006.12東京医科歯科大学 [根管処置歯における根尖部X線透過像の発現率] より引用

※2)精密根管治療の自由診療における成功率

Y.L Ng V.mann .Outcome of primary canal treatement systematic review of the literature より引用

なぜこんなに違いがあるの?

ここまで見ると、保険診療でマイクロスコープを覗かないのはなぜ?防湿しないのは?時間取ってもらえないの?道具をわざわざ変える必要はあるの?という疑問があっても仕方がないと思います。

もっとも大きな理由は、採算ということが一つ挙げられます。保険診療は、抜髄処置の点数が230点〜596点(2021年現在)で、2,000円強〜6,000円弱ぐらいです。その中から道具や時間給を割り出す算段となりますが、それに例えば1時間かけてラバーダム防湿を貼って、マイクロスコープを覗きっぱなしで高価なファイルを使って治療をするというのは、採算が合わない、つまり歯医者側が赤字になってしまうということです。赤字でも患者様のためならばと、マイクロスコープやラバーダム防湿を使う歯医者さんもいるにはいると思います。実際、アップル歯科では保険の根の治療でも、覗きっぱなしは無理でも確認のためにマイクロスコープを使ったり、ラバーダム防湿を行うこともあります。しかし、実際に時間多く使えるかというとそうではなく、30分が限界となります。他の医院によっては15分のところもあるかもしれません。

ところがそれが自由診療になると、費用が自由に設定できるため、時間も確保できれば、高価な材料を使うことも出来ます。ただ、やはりそれなりの費用を設定しなければ、マイクロスコープなどの高価な設備やニッケルチタンファイルのような高価な道具を仕入れることもできません。つまり、設備や道具のお金のための費用も治療費の中に含まれてしまうため、自由診療の根管治療は費用が高いのです。

もちろん、全ての患者様により精密で再発率の低い治療をしたいという思いは、医療人として必ずあります。しかし、それらを全て保険診療で行うとなると、設備や道具を揃えることができなくなるのです。

医療機関なのに「採算」が理由となると、悲しい気持ちになるかもしれませんが、もしそれでも精密根管治療の内容を保険で行うと、やればやるほどその歯科医院は損をしてしまい、赤字の治療を続けると、道具を買えなくなったり生業として成り立たなくなるためです。

歯を長持ちさせたいなら

歯の神経は、歯を生きた状態で保つための必要な器官です。そのため、神経を抜いた歯は水分や栄養の供給源が絶たれることになり、枯れ木と同じ様に折れやすい状態となってしまいます。それでも、歯そのものを残すためには、この神経を犠牲にしなければならないこともあり、そのための処置が抜髄です。

この抜髄は、その精度によって成功率が異なり、治療がまずければ再感染を起こしたり、治療後にまた症状が再発してしまうことがあります。枯れ木のようになってしまった歯の根にとって、再治療はとても大きなダメージを負うことになります。どんどん歯質は薄くなり、ますます折れやすくなってしまうのです。

ですから、なるべくなら1回目の抜髄を高い精度で行うことが、大切な歯を末永く使うための方法となります。最初の抜髄でしっかり根をキレイにして、神経を取った後でも長くその歯を使えるように、精密根管治療もご検討頂ければと思います。

この記事の編集・責任者は歯科医師の岡本大典です。

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