エアフローってどんな歯科機器？

エアフローとは

エアフローは歯科のクリーニング方法の一つになります。とても細かいバウダー状の粒子を歯に噴射することで、着色汚れやプラーク（歯垢）を取り除いていきます。

細かいパウダー粒子が隅々に行き届き、セルフケアでは取れないこびりついた細菌の塊や、手の届かない隙間までしっかりとクリーニングすることができます。

エアフローとポリシングブラシの違い

歯面清掃する際には、一般的にはポリッシングブラシ、ラバーカップといった器具が用いられます。プロの施術によって、セルフケアでは落とせない・落としきれていない汚れやプラーク（歯垢）を綺麗に除去します。

歯面清掃で使用する器具に用いる研磨剤では、わずかではありますがエナメル質が摩耗する可能性があります。エナメル質は平均2~3mmと薄く、一度失われると元に戻りません。エナメル質は熱いものや冷たいもの、酸性の食品など、歯がシミると感じさせるものが、刺激に敏感な内部の層に触れないよう保護する役割を果たしており大きな役割を担っています。

エアフローは、とても細かいパウダー粒子を噴射することで、表面を傷つけることがほとんどなく摩耗もありません。最小限の侵襲で歯のクリーニングを隅々まで行うこと可能としています。

エアフローはこんな方におすすめ

歯の隙間や着色汚れが気になる方

細かい粒子が歯ブラシでは届かない場所もキレイにクリーニングすることが可能です。また、着色などの頑固な汚れもジェット噴射でキレイにクリーニングすることができます。

歯列矯正中の方

ワイヤー矯正中の方は、器具の周りの清掃が非常に困難です。その点エアフローは器具と歯の間の清掃もキレイに簡単に行うことが可能です。

インプラントを埋入している方

インプラントのメンテナンスではチタン性の金属部分や、人口歯は通常の歯と違いつるつるの鏡面なので通常のクリーニングでは難しく、技術が必要になります。その点、エアフローは低侵襲で、金属や人口歯を効率的にメインテナンスを行うことができます。

補綴（詰め物・被せ物）がある方

被せ物や詰め物もインプラント同様に、エアフローで低侵襲で効率的にメインテナンスを行うことができます。

エアフローのメリットデメリット

エアフローのメリット

エアフローは歯間や補綴物の周り、矯正器具などの周りなど歯ブラシでは届かない部分の汚れやプラーク、歯石、頑固な着色汚れなどもをエアフローであれば微細なパウダー粒子をジェット噴射することで落とすことができます。
金属チップや研磨剤を使用せず、細かなパウダー粒子でクリーニングするため、歯や補綴物への侵襲を最小限に優しくクリーニングすることができます。
歯面を摩耗せず、エナメル質の状態を保つため、施術後は歯面も滑らかでプラークの再付着を抑制します。（※1）
微細なパウダー粒子が広範囲に噴射されるため、歯ブラシでは届かない場所でも効率的に短時間でクリーニングすることができます。そのため、多くの歯を短時間で施術することも可能になります。

※1）臨床的検討では、新規法による為害性は確認されなかった。また歯面清掃時間がやや短縮され、従来法と比較して歯面再着色が少なかった。

青柳恵子（2017）歯科用多目的超音波治療器エアフローSⅡⓇの歯面為害性松本歯科大学大学院歯学独立研究科博士（歯学）学位申請論文

エアフローのデメリット

下記の場合は適用外となる場合があります。
- 呼吸器疾患をお持ちの方
- 放射線治療中の方
- 妊娠中、授乳中の方
- ナトリウム摂取制限を必要とする方
- 塩化セチルピリジニウム（CPC）、エリスリトールにアレルギーの方
痛みに配慮した設計となっていますが、歯茎や舌に噴射があたるとチクッとした痛みを感じたり、知覚過敏の方は痛みを感じる場合があります。
クリーニングは歯の着色汚れやプラーク、歯石をキレイにしますが、歯そのものの色を変える施術ではありません。

もっと歯を白くしたい方の参考記事：ホワイトニング