歯並びを整え、自信の持てる笑顔を手に入れるための歯列矯正。
しかし、「矯正は痛い」というイメージから、治療に一歩踏み出せない方も多いのではないでしょうか。確かに、歯を動かす過程で痛みは少なからず伴いますが、その原因や対処法を正しく理解することで、不安は大きく軽減できます。
この記事では、矯正治療で痛みが生じる原因から、痛みのピークや期間、そしてご自身でできる対処法まで、分かりやすく解説します。これから矯正を始める方も、現在治療中で痛みにお悩みの方も、ぜひ参考にしてください。
監修:
歯列矯正中に感じる痛みは、主に3つの原因に分けられます。なぜ痛みが発生するのか、そのメカニズムを知ることで、過度な不安を和らげることができます。
| 痛みの種類 | 主な原因 | 特徴 |
|---|---|---|
| 歯が動く痛み | 歯槽骨の吸収と再生に伴う炎症 | 歯が浮くような、うずくような鈍い痛み |
| 装置が当たる痛み | ブラケットやワイヤーの接触・摩擦 | 口内炎などを伴う、粘膜の鋭い痛み |
| 噛む時の痛み | 歯根膜への刺激 | 食事の際に感じる、歯が響くような痛み |
矯正治療における痛みの最も一般的な原因は、歯が動くことそのものです。
矯正装置によって歯に力が加わると、歯を支えている顎の骨(歯槽骨)に変化が起こります。歯が動く方向の骨は吸収され、反対側では新しい骨が作られます。
この骨の吸収と再生の過程で、炎症反応を引き起こす物質が放出されるため、歯が浮くような、あるいはうずくような痛みを感じるのです。この痛みは、歯が計画通りに動いている証拠とも言えます。
特にワイヤー矯正の場合、ブラケットやワイヤーといった装置が頬の内側や舌、唇の裏側に当たってしまい、痛みや違和感を生じさせることがあります。
慣れないうちは装置が擦れて口内炎ができてしまうことも少なくありません。
また、歯が動くにつれて、奥歯のワイヤーの端が余って飛び出し、粘膜に刺さってしまうことも痛みの原因となります。
矯正治療中は、歯が不安定な状態にあるため、食べ物を噛む際に痛みを感じやすくなります。
特に、装置を調整した直後は歯が敏感になっており、硬いものを噛んだ時だけでなく、上下の歯が軽く触れ合っただけで痛みを感じることもあります。
これは、歯を支えている歯根膜という組織が、噛む力による刺激に過敏に反応するために起こります。
矯正治療の痛みが「いつまで続くのか」は、多くの方が最も気になる点でしょう。痛みのピークと期間には個人差がありますが、一般的な目安を知っておくことで、心の準備ができます。
矯正の痛みが最も強くなるのは、初めて装置を装着した後や、ワイヤーの調整、新しいマウスピースに交換した直後です。
一般的に、処置を受けてから12時間後くらいから痛み始め、1日目に痛みのピークを迎えることが多いです。
この期間は、歯を動かすための力が最も強くかかっている時期にあたります。
【関連記事】マウスピース部分矯正ってどんな歯並びが治る?
痛みのピークを過ぎると、歯が新しい位置に慣れ始めるため、徐々に痛みは和らいでいきます。
ほとんどの場合、1週間程度で日常生活に支障がないレベルまで痛みが落ち着きます。
治療期間中ずっと強い痛みが続くわけではないので、安心してください。
痛みの強さや期間は、あくまでも一般的な目安です。痛みの感じ方には大きな個人差があり、年齢や歯並びの状態、体質などによって異なります。
ほとんど痛みを感じない方もいれば、痛み止めが必要になる方もいます。
周囲の人の体験談は参考程度にとどめ、自分の体の感覚を大切にしましょう。
矯正治療には様々な種類がありますが、代表的なワイヤー矯正とマウスピース矯正では、痛みの感じ方にも違いがあります。
【関連記事】矯正治療の装置・器具について
ワイヤー矯正は、ブラケットという装置を歯に直接接着し、そこにワイヤーを通して力を加える方法です。
月に一度の調整日にワイヤーを締め直すことで、段階的に歯を動かします。そのため、調整直後には歯が動くことによる強い痛みを感じやすい傾向があります。
また、装置が口の粘膜に当たりやすく、口内炎などのトラブルが起きやすいのも特徴です。
マウスピース矯正は、透明なマウスピースを1〜2週間ごとに交換していくことで、少しずつ歯を動かす治療法です。
ワイヤー矯正に比べて一度に歯を動かす距離が短く、かける力も弱いため、歯が動く際の痛みは少ないと言われています。
また、装置が滑らかなため、口の中を傷つけるリスクも低いです。ただし、新しいマウスピースに交換した直後は、締め付けられるような痛みを感じることがあります。
矯矯正中の痛みは、ある程度仕方のない部分もありますが、我慢できないほどの痛みはストレスになります。ここでは、痛みが辛い時に試せる5つの対処法をご紹介します。
ワイヤー矯正は、ブラケットという装置を歯に直接接着し、そこにワイヤーを通して力を加える方法です。
月に一度の調整日にワイヤーを締め直すことで、段階的に歯を動かします。そのため、調整直後には歯が動くことによる強い痛みを感じやすい傾向があります。
また、装置が口の粘膜に当たりやすく、口内炎などのトラブルが起きやすいのも特徴です。
【参考記事】矯正歯科治療について
歯が痛む時は、無理に硬いものを食べる必要はありません。
おかゆやうどん、豆腐、スープ、ヨーグルトなど、あまり噛まなくても食べられる柔らかいものを選びましょう。
歯への刺激を減らすことで、食事中の痛みを大幅に軽減できます。痛みが落ち着いてきたら、徐々に普段の食事に戻していきましょう。
歯が動く痛みは炎症を伴うため、冷やすことで症状を和らげることができます。
保冷剤や氷を入れたビニール袋などをタオルで包み、痛みを感じる部分の頬の外側から優しく当ててみましょう。
ただし、冷やしすぎは血行を悪くし、歯の動きを妨げる可能性もあるため、長時間冷やし続けるのは避けましょう。
ワイヤーやブラケットが口の粘膜に当たって痛い場合には、矯正用ワックスが非常に有効です。
これは、装置の尖った部分や気になる部分を覆うための粘土のようなもので、歯科医院で受け取ることができます。
痛みの原因となっている装置の部分にワックスを貼り付けることで、粘膜への刺激を和らげることができます。
様々な対処法を試しても痛みが改善しない場合や、これまでとは違う種類の強い痛みを感じる場合は、我慢せずに通院している歯科医院に相談しましょう。
装置に何らかの不具合が生じている可能性も考えられます。
ワイヤーの調整など、適切な処置を受けることで痛みが解消されることもあります。
矯正治療中の痛みを完全にゼロにすることは難しいですが、食事などを少し工夫することで、痛みがある期間も快適に過ごすことができます。
矯正装置の調整後など、痛みが強い時期には食事のメニューに工夫が必要です。栄養バランスを保ちつつ、痛みを悪化させないための食事のポイントをご紹介します。
| おすすめの食品 | 調理の工夫 |
|---|---|
| 卵料理、豆腐、ひき肉料理 | 柔らかく調理する(オムレツ、麻婆豆腐など) |
| 魚 | 煮魚や、ほぐしやすい焼き魚にする |
| 野菜 | 細かく刻んでスープやポタージュにする |
| 果物 | バナナや、すりおろしたりんごなど |
| 主食 | おかゆ、雑炊、柔らかく煮込んだうどん |
矯正中は口内炎ができやすいため、粘膜の健康を保つ栄養素を意識的に摂取することも大切です。
特に、ビタミンB群(ビタミンB2やB6)は、皮膚や粘膜を保護する働きがあります。これらの栄養素は、レバー、卵、マグロ、鮭、バナナなどに多く含まれています。
バランスの良い食事を心がけ、口内環境を整えましょう。
歯列矯正に伴う痛みは、歯が理想的な位置へと動いている証拠です。
痛みの原因やピーク、あ対処法を知ることで、治療への不安は大きく軽減されたのではないでしょうか。痛みを乗り越えた先には、健康的で美しい歯並びと、自信に満ちた笑顔が待っています。
痛みや不安なことがあれば一人で抱え込まず、かかりつけの歯科医師に相談しながら、二人三脚で治療を進めていきましょう。
【関連記事】なぜ?「歯を矯正したらブサイクになった」
この記事の編集・責任者は歯科医師の井津上卓也です。
歯科医師 井津上 卓也

矯正の痛みはいつまで続く?原因とすぐに試せる5つの対処法を徹底解説! | 公開日: 2025/11/27 | 更新日: 2025/11/27 | by
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