嘔吐反射が強い方のための歯科治療

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嘔吐反射でも無理なく歯型取り

嘔吐反射とは

歯医者では治療のための器具をお口の中に入れることが多くありますが、異物感から「オェッ」とえずいてしまう方も少なくありません。このような現象は「嘔吐反射」「絞扼反射」(こうやくはんしゃ)と言います。

歯医者の治療が苦手な方の中には「嘔吐反射が強い」という理由で治療が受けられない方がたくさんおられます。嘔吐反射そのものも病気ではなく身体の自然な反応ですので、頑張れば抑えられるというものでもなく、治療をするうえで大きな障壁になります。

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嘔吐反射が強く出る「歯の型取り」

現状の歯医者の治療では嘔吐反射の強い患者様に対して出来ることは限られています。丁寧な器具使いで口の上側に器具や指が当たらないように気をつけたり、それでも難しい場合は舌や口の上側に表面麻酔をすることで嘔吐反射を抑えるその場限りの治療が精一杯でした。

その中でも特に異物感の強い「歯型採り」は苦手な方も大変多い治療でしたが、近年では新しい技術の導入により嘔吐反射を大幅に抑えることができるようになってきました。

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型取りがいらない光学式口腔内スキャナー

嘔吐反射を抑える光学印象について

嘔吐反射が強い方でもできる設備として近年注目されているのは「光学式口腔内スキャナー」という歯の型取りをデジタルで行うペン状のカメラです。もちろん、すべての嘔吐反射を抑えられるわけではありませんが、これまで歯の型取りが難しかった方の多くが無理なく型取りできるシステムになっています。

まず第一に、このスキャナーを使うことで、従来の型取りのようにトレーに盛った印象材を口に入れる必要がなくなります。光学式口腔内スキャナーは、カメラの先端を口の中に向けて歯や歯肉を撮影するだけなので、口の中にほとんど触れずに撮影することが可能です。

撮影したデータは歯の詰め物を作る機械に直接送ることができるので、ピッタリと合う詰め物を数日で作ることができます。

明石アップル歯科ではこの光学式口腔内スキャナーを2種類導入しています。それぞれ得意な治療が異なるので、治療内容に合わせて使い分けています。

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当院の光学式口腔内スキャナー

詰め物・被せ物の作成が得意な
「プライムスキャン」

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詰め物や被せ物を作成するのに特化した光学式口腔内スキャナーで、口腔内を精密に読み取って精度の高い補綴物を作ることができるスキャナーです。

iTeroよりもカメラの先端が小さくスキャンが早いため、負担も少なく可能です。デジタルデータから機械で歯を削り出すため、主にセラミックやジルコニアセラミックなどの詰め物・被せ物が対象になります。

また、治療途中の仮歯や精密仮歯なども作成できるため、最終的な詰め物・被せ物に向けて徐々に、精密に歯を調整することが可能です。また、1本の歯だけの治療の場合は、その周辺の歯と噛み合っている反対の歯、横側からの撮影だけでよいので、お口全体を撮影する必要もありません。

他にも咬み合わせによる歯への力のかかり方を測定したり、歯石や歯垢を高解像度で確認することも可能です。

歯並び矯正が得意な
「iTeroエレメント5D」

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iTero(アイテロ)はマウスピース矯正に特化した光学式口腔内スキャナーです。プライムスキャンよりも精度・スピードは劣りますが、スキャンデータから歯並びを測定する機能に特化しています。

矯正治療をした場合にどのように歯が動くかのシミュレーションや、読み取ったデータからマウスピース矯正の治療計画を立てて、そのままマウスピースを作成し矯正治療を始めるという一連の流れを1台で行えます。

これによって、従来まで型取りが必須だった矯正治療を型取り無しで始めることができます。また、プライムスキャンと同じく咬み合わせによる歯への力のかかり方を測定したり、歯石や歯垢を大きなモニターで確認することも可能です。

さらに、NIRIという近赤外線の技術も搭載しているので、レントゲンのように放射線を使わずに表面に見えないむし歯を検出することも可能です。

光学スキャナーのメリット・デメリット

光学式口腔内スキャナーの適用には限りがあります

光学式口腔内スキャナーはメリットばかりではなく、いくつかデメリットもあります。最も大きな点は、保険診療の治療の際には利用することができないということです。

保険診療のむし歯治療では歯を作る際「型取りをすること」が前提となっているので、型取りを必要としないスキャナーを使用することはできません。しかし、撮影自体に費用は頂いていませんので検査やシミュレーションを見るためだけでも使用は可能です。ご希望の方は歯科医師にご相談ください。

また、型取りより負担は少ないものの、スキャナーでも嘔吐反射を起こしてしまう場合もあり、絶対に嘔吐反射を起こさない機器ではないことはご注意ください。

※アップル歯科ではスキャナーの使用のほかに、静脈鎮静麻酔などを用いて嘔吐反射を軽減する方法もご用意しています。下記ページを参考ください。

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光学スキャナーのメリット

  • 嘔吐反射が強い方でも歯の型取りをデジタルデータで作成できる
  • 印象材を口に入れるより違和感も少なく素早くできる
  • 再撮影時も必要な歯のみの撮影でデータの修正ができる
  • デジタルデータなので歯の模型も壊れず保管にも困らない
  • 人的ミス(歯科医院側の失敗)のリスクが低い

光学スキャナーのデメリット

  • 保険診療の条件に当てはまらないので、自由診療の治療が対象となる
  • すべての方の嘔吐反射に対応することはできない
  • セラミック等のブロックを削り出して作成するため、金属の歯は作成できない
  • デジタルデータを他の治療に活かせることが少ない
  • 詰め物がしっかり合うかが歯科医師の技術に左右される

嘔吐反射の強い方でも治療は可能です

アップル歯科へお気軽にお越しください

嘔吐反射が強く歯科での治療が苦手な方にとっては、歯の型取りのみならず、治療そのものも苦痛に感じられることと思います。ですが、「治療を望まない」という選択は、決して良いとは言えません。

むし歯や歯周病は進行する感染症で、放っておけばどんどん悪くなり、他の歯まで悪くなったり、ご家族に感染させてしまう場合もある病気です。当院では治療から型取り、予防に至るまで、嘔吐反射の強い方には特に気遣いをして治療にあたるようにしています。治療は辛いかもしれませんが、昔に比べて器具や設備の進化によって嘔吐反射の強い方でも受けられる治療は増えてきています。

もちろん、それでも治療が難しい場合は別の方法もご提案できますので、まずは相談にお越しください。

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この記事の編集・責任者は歯科医師の岡本 大典です。
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嘔吐反射が強い方のための歯科治療 | 公開日: 2020/09/30 | 更新日: 2022/06/07 | by 明石アップル歯科

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