歯根破折とは、歯の根にヒビが入ったり、割れたりする重症化した咬合性外傷の症状です。歯根破折は外傷(ケガ)でも起こり得ますが、咬合力による歯根破折についての実験的研究の結果(※1)によると、繰り返しの応力による疲労破壊が原因と考えられています。これは永年の咬合力によって小さな亀裂が生まれ、ストレスの蓄積により破折することが多いということです。ですから、年を老えば老うほど破折のリスクは高くなることが言えます。
歯根破折の原因
歯根破折の原因は、前述した通り咬合力と応力の蓄積によるものであると考えられますが、正常な咬み合わせや咬合力では起こることはありません。しかし以下の条件が重なると破折しやすくなります。
特に神経を失った歯は天然歯のようなしなりが効かなくなり、上や横からの力に対する耐久力が落ちるため、食いしばりや歯ぎしりなどのストレスにより疲労し、最終的に破折する可能性は高くなります。
歯の根が折れると
歯根破折を起こしてしまうと、どのような治療を行なっても予後が悪いため、抜歯の診断を下す場合がほとんどです。ショックを受ける患者様も多く、『抜けるまでそのまま使いたい』という方もおられますが、そのまま放置していると、顎の骨を溶かしたり隣の歯に悪影響など更に多くの歯を悪くしたり失う原因となってしまいます。そのため、残念ではありますが、「インプラント」「ブリッジ」「義歯(入れ歯)」の3つから、抜歯後の治療を検討していただく必要があります。
歯茎の腫れ
破折の可能性のある歯の周辺の歯肉が、歯周病のように腫れたりブヨブヨになることがあります。
でき物
フィステルというポツリとしたでき物が出来ることがあります。このでき物は膿の出口のようなもので、歯肉の内部で何かが起こっているサインとして読み取れます。フィステルは歯根嚢胞の際にも出現します。
差し歯がグラつく、取れる
差し歯がグラグラし始めれば、破折を疑います。また、何度着け直しても取れる差し歯は歯の根が割れて広がったため、土台が抜けてしまった可能性があります。取れた差し歯に金属の棒などが付いていたら、破折の可能性は更に高まります。
マウスピース(ナイトガード)を使用する
就寝中、食いしばりや歯ぎしりによる歯にかかるストレスを減らし、歯のすり減りも予防します。また、歯と歯の間の緩衝材のような効果も期待でき、顎関節への負担も減らします。
不正咬合・咬み合わせの治療
不良補綴(合っていない詰め物や被せ物)があれば作り変えや調整を行う必要があります。欠損がある場合は咬み合わせを考えた欠損補綴、不正咬合が原因の場合は矯正治療で咬み合わせを整えることも選択肢の一つとなります。
歯に負担の少ない歯牙
失活歯(歯の神経を抜いた歯)の場合、歯牙(コア)にファイバーコアなどの柔軟性のあるものを選ぶことで歯に優しく、破折リスクの軽減が期待できます。
参考文献
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