夜中に「カチカチ」「ギリギリ」と不快な音を立てながら、歯をすり減らし、ダメージを与える歯ぎしり。ご自身では気づかなくても、パートナーやお子様から、「歯ぎしりの音がすごい」と聞いて、ご自身の歯ぎしりに気づいた方もおられるのではないでしょうか?
しかし、一口に歯ぎしりと言っても、その原因は一つではありません。歯ぎしりには大きくわけると4つの原因が考えられますが、そのうち1つが原因の場合もあれば、複数の原因が相まって歯ぎしりをしてしまう場合もあります。つまり歯ぎしりを根本的に止めるためには、この4つのうち当てはまるものを一つずつ解消していく必要があります。
仕事や家庭の悩み、精神的な緊張など、ストレスが高まると歯ぎしりが起こりやすくなります。リラックスできる環境やストレス解消法を見つけることが大切です。
歯が正しく咬み合わないことで、歯ぎしりが引き起こされることがあります。根本的な咬み合わせの改善や、高さの合っていない補綴物をやり変えることで改善が期待できます。
睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害が、歯ぎしりの原因となることがあります。睡眠の質を向上させることで、歯ぎしりも改善されることが期待できます。
飲酒や喫煙、カフェイン摂取などの生活習慣が、歯ぎしりを引き起こすことがあります。適切な生活習慣を取り入れることで、歯ぎしりの予防に繋がります。
下顎が左右に動くタイプの歯ぎしりです。「ギリギリ」という音がします。
両顎の歯が上下にぶつかり合う歯ぎしりです。「カチカチ」という音がします。
上下の歯を強く噛みしめる歯ぎしりです。ギューッと噛み込み時折ガリッと音がすることもあります。
特定の歯をこすり合わせる歯ぎしりです。「ギリギリ」「キシキシ」という音がします。
歯ぎしりは、単発的に起こるものではありません。ひどい人なら毎夜のように歯をギリギリ・カチカチと当て続け、少しずつ歯にダメージを与えてきます。その結果、経年とともに少しずつ歯が摩耗してちびてしまったり、歯科修復物(セラミックや金・銀歯などの詰め物・被せ物)が欠けたり割れたりする原因となってしまいます。
最悪の場合は、継続的に力がかかったことによってすり減った歯から神経がむき出しになり、知覚過敏を感じたり、歯冠や歯の根が破折する「咬合性外傷」を引き起こす場合もあります。
また、強すぎる咬合力により食いしばりが激しい場合は、顎関節症の原因となることもあります。
ストレスは歯ぎしりの最も大きな原因として考えられています。以下にすぐに実践しやすいストレス軽減法をいくつかご紹介します。
「本当に効くの?」と思うかもしれませんが、これらの行動は歯ぎしりの原因となるストレスを緩和し、歯ぎしりの改善に繋がると考えられています。
歯ぎしりの原因や症状に応じて、歯科での治療や予防が必要な場合があります(※1)。
睡眠環境の改善は、歯ぎしりや睡眠の質に大きく関係しています。そのため、マットレスや枕など、自分にあったものに変えたり、睡眠前にリラックスタイムを設け、入浴や読書、深呼吸などを取り入れることで質の良い睡眠につながることが考えられます。
また、最近ではビフィズス菌などを使った腸活などを行うことで、睡眠の質を向上させることなどもよく言われています。
逆に「やってはいけないこと」として、寝る直前までの飲酒やカフェインの摂取、スマホやテレビ・動画の鑑賞などがあります。これらは脳の働きを鈍らせ、入眠のタイミングを遅らせたり、睡眠が浅くなる原因になると言われています。つまり日常的に行っているこれらを止めることも、睡眠環境の改善に繋がり、歯ぎしり対策になるということになります。
歯ぎしりは、食事のバランスや不規則な生活などが原因となることもあります。栄養バランスを考えた食事や、食事を摂る時間帯の管理などを行うことが歯ぎしりの原因の一つを解消すること繋がります。
また、睡眠のスケジュールを作り、起床・入眠時間をコントロールすることも重要です。
加えて、適度な運動を行うことで、身体が適度に疲れ、ぐっすり眠れるようになります。しかし、過度な運動はかえって興奮したり、筋肉の疲れがストレスになることも考えられます。あくまで継続的にできる適度な運動を心がけましょう。
また、起きている間にも、TCH(歯列接触癖)といって持続的に上下の歯を接触してしまう場合があります。こちらも歯ぎしり同様のダメージ・リスクがあるため、起きている間も上の歯と下の歯が接触内容意識的に気をつけたり、お仕事や勉強中もナイトガード(マウスピース)を使用することで歯や顎への負担を軽減しましょう。
※1)参考資料
残念ながら、「歯ぎしり」や「食いしばり」を止める治療というのは、現在のところ歯科治療も医療の世界でも確立されていません。
そのため、ここに書いてあることを行ったからといって必ずしも歯ぎしりが治るというものはありませんが、歯ぎしりに対して今出来ることであることは確かです。
歯ぎしりを止めることはできなくても、歯ぎしりや食いしばりで破壊が始まったお口を治療するには、歯医者に行く必要があります。また、ナイトガードのように歯ぎしりから歯を守る予防的な治療ができるのも歯医者です。
歯ぎしり自体は治らなくても、歯ぎしりを治すヒントと、歯ぎしりから歯を守るためにも、歯ぎしりがある人は歯医者に行きましょう。
歯ぎしりは、最初は「不快な音」を出すだけですみますが、これを長年繰り返すことで、歯や顎の骨は少しずつダメージを受けています。雨垂石を穿つということわざにもあるように少しずつ滴り落ちる雨垂れが石に穴を開けるのと同じで、歯も継続して力が加わると、割れたり形が変わることもあります。
いずれ「歯がしみる」朝起きると「歯の根が痛い」「顎が痛い」など、虫歯ではない歯や顎の痛みに襲われるかもしれません。そして、その痛みが出るということは、歯が相当すり減ってしまっていたり、歯冠や歯根が折れてしまっている可能性もあります。
ですから、歯ぎしりがあるとわかったら、早めに対策を講じることが大切です。まずはナイトガードで歯や顎へのダメージを防ぎながら、根本的な原因解決を目指しましょう。歯ぎしりをご家族やパートナーにご指摘されたり感じたら、お気軽にご相談にお越しください。
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