親知らずは歯列の中で、最も後方に位置する永久歯です。永久歯の中で最も遅く生えてくる歯であり、時期としては、10代後半から20代前半頃に生える方が多いようです。
とはいえ、個人差があり、40代になってから生えてくる可能性もあります。その一方で、親知らずが1本も生えてこない方も少なくありません。
親知らずが生えてこない理由は「まだ歯ぐきの中に埋まっている状態である」もしくは「親知らず自体が存在していない」の2つが考えられます。また、人類の進化の途中で退化したという説もあります。
しかし、必ずしも抜歯したほうが良いとは限らず、歯並びによっては残したほうが良い場合もあります。
親知らずの語源は諸説ありますが、親知らずが生えてくる頃には子供は親元を離れているため、親が知らない歯ということで「親知らず」と呼ばれているとも言われています。
前述したように親知らずは必ず抜歯しなくてはならないとは限りません。腫れや痛みがなく、他の歯と同様、正しく生えており、咬み合わせや虫歯・歯周病の症状がない場合は抜歯しないということもあります。
親知らずが虫歯や歯周病の進行によって痛みを感じたり、痛みを感じていなくても、歯並びや咬み合わせなどに影響している場合は抜歯する可能性が高いです。
親知らずに痛みを感じているのにも関わらず、歯科に行けていない・・というのはよく聞く話ですが、痛みを抱えたまま生活することはストレスになり、身体の抵抗力が落ちることにもつながります。
また、親知らずの生え方によっては歯磨きがしにくく、清掃が不十分になってしまうと虫歯や歯周病の原因になります。
以下のような状態になった場合は、抜歯をする必要があります。親知らずの疾患は痛みや腫れを伴うだけでなく、周りの歯に影響することも多々あります。親知らずに症状が出た場合、親知らずが生え始めて不安な場合など、お早めにご相談にお越しください。
親知らずがまっすぐはえておらずまた歯肉が一部かぶさっていたりすると歯磨きがしにくく不潔になり周りの歯肉に炎症を起こしやすくなります。このような状態を智歯周囲炎と言います。周りの歯肉が腫れたり炎症は広がると口を開きにくくなる事があります。
智歯周囲炎の時と同様、歯磨きがしにくく親知らずに虫歯ができたりまた親知らずと手前の大臼歯との間に虫歯ができたり、歯周病菌の住処になることもあります。
真横にはえている親知らずが手前の歯を押して歯並びが悪くなる時もあります。 しかし全てが歯並びに悪影響を及ぼしているわけではなく矯正の際に親知らずを使う場合もあります。
約7割の日本人に親知らずが生え、残りの約3割の人は先天的に親知らずが存在しないと言われています。
また、親知らずが正しく、まっすぐに生える確率は約3割程度と言われており、多くの場合が斜めや横向きに生えてくるため、抜歯する可能性が高まります。
表1 | 智歯の存在率 | 智歯の萌出率 (はえてくる確率) |
智歯の埋伏率 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
男性 | 上顎79% | 下顎85% | 上顎75% | 下顎76% | 上顎6% | 下顎10% |
女性 | 上顎74% | 下顎82% | 上顎68% | 下顎77% | 上顎6% | 下顎9% |
※表1)歯の出現,発育,萠出の時期と頻度について
親知らずが歯茎の中で完全に埋まっている状態であっても、周囲に嚢胞(のうほう)という膿や唾液の袋ができしてしまい、隣の歯や歯茎に細菌感染することもあります。
このような状態を放っておくと、どんどん感染範囲が広がるため、顔を出してい親知らずであっても、抜歯を勧められる可能性が高いです。
親知らずは完全に埋まっているのに痛みを感じる・・という方は早急に歯科医師に診せましょう。
親知らずは必要のない歯というイメージが強いかと思いますが、どこかの歯を抜歯した場合、欠損部分に移植することで役に立つこともあります。
通常、抜歯して歯を失った場合の選択肢は「インプラント」「ブリッジ」「入れ歯」となりますが、歯の状態によっては「親知らずの移植」が可能である場合もあります。
もちろん、どの部分にでも移植できるわけではなく、適応範囲は狭いですが、適応できれば自分の天然歯で欠損部を回復できるので、親和性が高く、インプラントよりも治療費を抑えられるというメリットがあります。
このように、失った歯の部分に、自身の親知らずなどを抜いて移植することを自家歯牙移植といいます。
親知らずの抜歯は、その生え方によって施術方法は異なってきます。
切開する場合・縫合する場合・親知らずを分割して抜歯する場合など、生え方によって抜歯術は変わってきます。
親知らずが通常の歯のように垂直に生えている場合はほとんど切開しない場合もあります。しかし親知らずは横向きに生えていることが多く、この場合切開したり分割したりする場合があります。
通常痛みは2〜3日続き、腫れは1週間程度残る場合もあります。痛みや腫れももちろん抜歯術によって異なりますが、切開や分割をしなければならない親知らずほど、術後の痛みや腫れが現れる期間は長くなります。処方されたお薬を、用法・容量を守って服用してください。
親知らずの抜歯は痛そうなイメージをお持ちかもしれませんが、抜歯を行う際は、麻酔を使用するので、治療中は痛みを感じないという方が多いです。 ただし、治療後に麻酔が切れると痛みを感じるため、麻酔が切れる前に、痛み止めを飲んでおきましょう。
痛み止めを服用する際は、歯科医師からの指示に従って使用してください。 また、治療後の腫れや痛みを緩和させるために、濡れタオル等で痛みを感じる部位を冷やしましょう。
当院には親知らずの抜歯経験が豊富な歯科口腔外科出身の歯科医師が複数在籍していますので、ほとんどの親知らずは抜歯が可能です。ただし、抜歯が可能であっても当院で抜歯を行わない場合があります。
例えば下顎の親知らずには下顎管という大きな神経が通っています。親知らずがこの下顎管の近くにある場合、抜歯をすることで麻痺を起こす可能性があります。そうなると例え抜歯ができても、その後の生活のフォローが困難になる場合があります。そのため、術後のフォローや万が一麻痺が起こった場合の対応を考え、大学病院等での抜歯をお願い(ご紹介)することがあります。
そのため、当院では親知らずの抜歯の際、必ず歯科用CT(親知らずの抜歯に関しては保険適応可)を用いて、そのはえ方、下顎管の位置や距離を確認した上で施術方法や抜歯の可否など、患者様がより安全に抜歯ができる方法を検討します。
STEP1
下顎の親知らずは、横向きに歯茎の中に埋まっているケースが多いです。深い位置にあると神経管に近くなり難しい抜歯になります。歯茎に埋まっている場合は歯茎を切開します。
STEP2
骨の中に埋まっている歯が見えてくるので、歯の周囲の骨を削りとります。腫れや痛みを最小限に抑えるため、最低限の骨削除にとどめます。
STEP3
歯の頭(歯冠)と根っこ(歯根)の部分を削りこんで分離します。頭の部分を器具で取り出します。
STEP4
根っこの部分を器具で取り出しますが、根っこが複数ある場合は根っこの部分も分割してバラバラにします。
STEP5
抜いた穴の部分を掃除して、切開した歯茎を閉じて止血して終わります。痛みは2〜3日程度が多いと思います。腫れは3〜7日間程度が多いです。
親知らずの抜歯には保険診療・3割負担の方の場合、処方薬の費用も込みでおよそ1,500円〜5,000円程度になります。
ただし、別途初診料(初診の場合)や検査(CT)・歯周処置(クリーニング)等の費用が必要となります。
例)初診料3,000円+歯石除去1,000円+抜歯・投薬1,500円等。
youtubeで動画もチェック
アップル歯科公式youtubeチャンネルでは、親知らずの抜歯についての動画を公開しています。より詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
明石アップル歯科
曜日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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