通常、正しい咬み合わせは上の歯が下の歯を覆った状態になっています。交叉咬合とは、この上下の咬み合わせがどこかで一部反対になっている咬み合わせのことを言います。
交叉咬合は上顎が小さいことから起こることが多い咬み合わせで、奥歯から前歯まで、1歯から複数の歯まで様々な症例があります。
「たかだか1本の歯がずれているだけ」と侮ってしまいがちなこの交叉咬合ですが、実はたとえ一本でもこれが原因で下顎がズレて成長してしまうことがあります。
また、交叉咬合は「叢生(ガチャ歯・デコボコの歯)」でもあるため、歯ブラシが届きにくい部分ができやすく、虫歯や歯周病のリスクも高い咬み合わせです。そのため、交叉咬合は不正咬合の中でも、早めの矯正治療が推奨される咬み合わせです。
交叉咬合は難易度の高い治療ですが、矯正治療・歯科治療で改善できます。
Before
Process
After
赤枠の○で囲んだ部分が交叉している部分です。この患者様の場合、前歯と臼歯の複数の歯が反対咬合になっています。幸いなことに顎の変形までは見られず、ワイヤー(マルチブラケット)矯正のみの治療で不正咬合を治すことができました。
治療の内容 | マルチブラケットシステムによる歯列矯正。歯科矯正用アンカースクリュー2本使用 |
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期間・回数 | 2年5ヶ月・36回(カウンセリング・検査含む) |
費用 | 自由診療:ワイヤー(マルチブラケットシステム)矯正+矯正用ミニインプラント✕2本 総額 805,000円(税込885,500円)(調整料27回分含む) |
リスク・副作用 |
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上顎もしくは下顎の成長のバランスが悪く、しっかり噛めないために歯が噛める方向にと移動することで、交叉してしまうことがあります。
主に子供の頃から発症しやすく、上顎が小さいことで起こりますが、乳歯が交叉咬合になっている場合は、永久歯に生え変わっても交叉している場合も多いです。
骨格や歯の形、歯の大きさなどは親から子へと遺伝します。そのため、両親のどちらかに交叉咬合がある場合、お子様も交叉咬合になる可能性があります。
また、両親のいずれにも交叉咬合はなくても、元々上顎が小さければそれはお子様に遺伝する可能性があり、お子様が交叉咬合になることがあります。
顔、特に顎周りや口腔内での悪習癖は、咬み合わせを悪くする原因となります。
例えば頬杖をよくついたり、何かを噛んで引っ張る癖があったり、舌で歯を押す癖など、これらの習癖は交叉咬合を引き起こす原因となります。
交叉咬合の怖いところは、歳の経過とともに顎や顔に影響が出ることです。歯が交叉しているために顎はそれに合わせて変形・移動し、徐々に顎の位置がズレてしまいます。
また、そのまま移動やズレが大きくなると、お顔全体が歪んで見えるほど顎のバランスが悪くなることもあります。。
交叉咬合は叢生というデコボコに生える不正咬合の特徴も含んでいます。
内側に入ってしまった上顎の歯の隣接面や、重なり合った歯は歯ブラシが届きづらいため歯垢や歯石が溜まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
交叉咬合は左右が非対称な咬み合わせです。そのため顎の筋肉のバランスや、咀嚼のバランスが悪くなりやすく、それらは頭痛や肩こりなどの不正愁訴につながる可能性があります。
また、特定の歯では噛めなかったり、食いしばることが出来ない症例もあり、それらは咀嚼や滑舌においてストレスに感じることもあります。
交叉咬合の治療は早めが最適です。お子様であれば小児矯正、成人であれば早めに成人矯正をすることで咬み合わせを整えます。
治療が遅れると、顎関節症になったり、外科手術が必要になることもあるため、痛みなどの症状が出る前に治療することが重要です。
小児矯正の場合は「咬合育形成」と言って、顎の骨を広げる治療を行います。特に交叉咬合の場合は上顎を広げることで反対の咬み合わせになった歯を正しい位置に戻します。
成人矯正の場合はワイヤー矯正やマウスピース矯正(インビザライン)による治療となります。ただし、場合によっては外科矯正(手術)が必要になる症例もあります。
矯正は小児矯正(Ⅰ期)からした方が良いケースと、成人(Ⅱ期)まで待ったほうが良いケースがありますが、交叉咬合は小児矯正が推奨される不正咬合です。上顎を装置で広げることで歯がきれいに並ぶスペースを作ってあげる矯正治療です。
歯の表面(もしくは裏側)にクリアブラケットという装置を貼り付け、そこにワイヤーを通して引っ張ることで歯を動かす矯正です。幅広い矯正に対応しており、過去もっとも多い症例をもつ矯正治療です。費用は表側に装置をつけた場合の費用です。
ピッタリとした薄いマウスピースを歯に装着する目立たず取外し可能な矯正装置です。少しズレのあるマウスピースを一定期間装着することで、そのズレに合わせて歯が動く仕組みです。適応に限りはありますが、交叉咬合の治療症例は少なくありません。
交叉咬合は叢生を伴う複数歯の場合、1歯だけの場合など様々なケースがありますが、いずれも顎がズレる原因になる可能性があります。
また、交叉した状態を放置することで、徐々に顎や顔に影響がで始めるため、顔の中心がずれてしまったり、しっかり噛めなくなったり、顎関節症になってしまうこともあります。
交叉咬合はできればこれらの症状が出る前に治療したい咬み合わせです。顎関節症の症状が出ていれば矯正はできませんし、顎がズレて顎変形症になれば手術が必要になることもあるためです。
交叉咬合は小児矯正が有効であったり、子供のうちならトレーニング矯正というマウスピースで改善することもあります。お父様やお母様はお子様の歯が一部下顎の歯が上顎の歯より前に出ている歯を見つけたら、早めに歯科医院に相談しましょう。
交叉咬合は、よく「叢生」というガタガタ歯並びのみと勘違いされる方もおられます。しかし交叉咬合は、反対咬合(受け口)の要素も持っているため、後々現れる症状も叢生よりも強い場合が考えられます。
また、「いずれは矯正したいけど」とお考えのまま、矯正出来なかったという方も過去には多くご来院されています。
矯正治療は、成人でも可能ですが、交叉咬合のように早めの治療が良い場合もあります。その際、必要となってくるのが保護者の方の理解です。
現在の日本の構造では【小学生】「矯正に興味がない」、【中高生】「矯正したいけど親がお金を出してくれない」、【大学生・新社会人】「矯正したいけどお金がない」という感じで「矯正できないシチュエーション」が長く続きます。お子様の将来のお口の健康を考えるなら、保護者の方の理解と決断が必要です。矯正治療について、「したほうが良いのか」とお悩みでしたら、お気軽にご相談ください。
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