奥歯だけで噛んで、前歯が閉じない咬み合わせを開咬(かいこう)といいます。開咬の人は前歯が噛まないために、前歯で噛みちぎることができません。
そのため、ラーメンや蕎麦が噛み切れず、舌を使って千切ったり、中にはうどんも切れないという方もいたり、コンビニのおにぎりを食べるとご飯だけが入ってきて海苔が切れずに残ってしまうという事例もよく聞きます。また、常にポカンと口を開けているので「間抜けな外見」に見られたり、口を閉じるとモコッとした口元になり、コンプレックスに感じることも多くあります。開咬は見た目もさることならら、そのままにしておくとリスクも多い咬み合わせのため、歯列矯正が最も必要な不正咬合の一つです。
※1)上下顎前歯の前後関係は正常847.6%,上顎前突15.4%,反対咬合0%であった。垂直的関係は正常86.5%,過蓋咬合13.5%,開咬0%であった。
これまでアップル歯科では多くの開咬(ポカン口)の治療を行ってきました。開咬は矯正治療・歯科治療で改善できます。
Before
Process
After
開咬(ポカン口)に対するマルチブラケットシステムを用いたワイヤー矯正、外科矯正(手術)なしで治療が可能となったの症例です。
治療の内容 | クリアブラケットを使ったワイヤー矯正と矯正用アンカースクリュー(4本)による歯列矯正。 |
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期間・回数 | 2年9ヶ月・33回(カウンセリング・検査含む) |
費用 | 自由診療:マルチブラケット(クリア)+矯正用ミニインプラント✕4本 総額 875,000円(税込962,500円)(調整料29回分含む) |
リスク・副作用 |
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叢生の原因
まず、前歯で噛めないため、咀嚼が不自由で消化器に負担をかけたり、前歯が閉じないため音がこもり、発音に影響がでたりします。
また、奥歯でしか噛めないことによる弊害が多くのリスクとなります。人間の咬合力(噛む力)は約70㎏程度と言われています。通常はこれを片顎28本(親知らず除く)で分散して噛みますが、開咬の場合は奥歯数本にその力が集中してしまいます。そのため、奥歯が割れたりヒビが入ったり、そこから虫歯菌が入ったりすることで、奥歯から徐々に歯を失うことが多いことが開咬の特徴です。
口が常に開いていると、口腔内が乾燥し、虫歯や歯周病菌を減らす唾液がなくなります。つまり虫歯や歯周病に罹りやすくなるということです。また、口腔内に細菌が発生しやすい状態ですので、口臭も強くなります。
更に、口が開いていると口呼吸になるため、鼻呼吸のようなフィルター(鼻毛)がありません。そのため、風邪や新型コロナ、インフルエンザのようなウィルスにも感染しやすくなります。更に、口呼吸は鼻呼吸に比べて酸素の吸収量が落ちるため、脳に充分な酸素が供給されないため、脳の発達が遅れたり、集中力・代謝が低下しやすいとも言われています。
開咬の原因は大きく分けて2つ考えられます。1つは遺伝的要因、もう一つは後天的な要因です。もし、両親のどちらかが開咬の場合、お子様が開咬になる可能性があるので、乳歯の時期から早めに咬み合わせを歯科にて確認してもらいましょう。
後天的な要因の場合、習癖(くせ)が原因となります。指しゃぶりやおしゃぶりの長期使用、舌突出癖(舌を上下前歯の間に入れるくせ)などが原因となり、徐々に咬み合わせが変わってきます。両親は開咬ではないのに、お子様がポカンと口を開けていたら、もしかしたらこの後天的な開咬になっているのかもしれません。開咬はリスクが高く怖い咬み合わせです。おしゃぶり・指しゃぶりは2歳までにやめさせる、舌癖があればトレーニング矯正装置を使うなど、開咬にならないようにしてあげることで、お子様の人生が大きく変わるかもしれません。
開咬を治療せずにそのまま過ごすと、歯を失うリスクは極めて高くなります。開咬の方の多くは奥歯がまずやられます。虫歯や破損を繰り返し、やがては抜歯になり、噛む歯や支えを失った前歯は、柱を失った家の屋根のように、前に倒れてやがて抜け落ちるリスクが高くなります。
もちろん、すべての開咬の人がすべての歯を失うわけではありませんが、実際に、過去の調査では8020(80歳で20本歯を残す取り組み)を達成した人の中に、開咬の咬み合わせの人はいませんでした。
開咬の治療には歯列矯正が有効です。歯列矯正に年齢は関係ありません。開咬の場合、歳を重ねるごとにダメージが蓄積してしまう咬み合わせですので、可能であれば成人していても矯正治療の受診をご検討下さい。
開咬の場合、歯並びをキレイにするという側面以上に、「歯を長く保つため」の意味合いが強い矯正治療となります。
開咬を治療することで、麺類をしっかり噛み切れるようになったり、こもってしまうような発音も正常に戻っていきます。そしてそのおまけとして、キレイな歯並びと口元が手に入ります。
歯の表面(あるいは裏側)にクリアブラケットという装置を貼り付け、ワイヤーを通して矯正力をかけ、歯を動かす方法です。開咬治療で最も多く使われる装置です。
透明のマウスピースで徐々に歯を力をかけながら、ステージごとにマウスピースを取り替えることで歯を動かします。適応に限りはありますが、マウスピース矯正で治療可能な開咬もあります。
小児矯正に合わせて、マウスピース型のトレーニング装置で舌などのトレーニングを行うための装置です。口腔筋を鍛え、舌癖を改善することで、顎・咬み合わせの成長を適切な方向へ戻すための矯正装置です。
開咬の原因が骨格によるもので、歯列矯正による治療が困難な場合は、外科矯正という骨を切る手術が必要です。手術は入院設備のある大学病院等で行い、術前術後の矯正は当院で行います。
開咬は、幼少期の習癖の改善やトレーニングで予防できることがあります。指しゃぶりがやめられない、おしゃぶりずっと加えているという癖があるなら、しっかり大人が止めさせて上げる必要があります。また、初期であれば、トレーニング矯正装置(T4K・プレオルソ)などの矯正装置を使うことで、正常な咬み合わせに戻してあげられる可能性もあります。いずれも、これはお子様だけでできることではありません。大人がちゃんと歯科につれていって、然るべき治療やトレーニングを行うことで、開咬を予防することができます。
骨格的な開咬は、遺伝が原因の場合もあるため、予防することは困難です。しかし、習癖というものも親に似るものです。親がしていることを子供は真似をしますので、親に舌突出癖があるようまら、子供も無意識に真似をする可能性もあります。つまり、親の癖を治すことも、お子様を開咬にしないためには大切なファンクションとなります。
咬み合わせというのは、なかなか一般の方がご自身ではわからないものです。出っ歯や受け口のように、明らかに外見に出やすいものは自身でもわかると思います。しかし、開咬の場合前突感等がなければ自分は「不正咬合だ」と気づかないまま過ごしてしまうかもしれません。
ですから、もし「奥歯ばかり使って顎が痛い」「前歯で食べ物が噛み切れない」「せんべいを食べれない」など、「噛む」ということに他の人と違いを感じたら、まずはご相談にお越し下さい。もし検査の結果開咬の場合、おそらく矯正治療をお薦めすることにはなりますが、矯正をしてでも将来歯を残すということは価値のあることだと考えます。将来多くの歯を残すため、または開咬によるその他のリスクを避けるためにも、どのような治療が必要で、どれだけの費用・期間がかかるのか、しっかり相談して、治療をするかどうかご検討いただければと思います。
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